世界3大自転車レースの1つ「ジロ・デ・イタリア」
イタリア全土を舞台にして行われる自転車のロードレース「ジロ・デ・イタリア」。自転車が国民的なスポーツのイタリアでは、開催期間中は国中がこの話題で持ちきりになります。
また、ジロ・デ・イタリアは、3大グランツールの1つ。グランツールとは、世界3大自転車レースとも言われ、その他の2つは日本でも知名度が高いフランスの「ツール・ド・フランス」と、スペインの「ブエルタ・ア・エスパーニャ」です。ジロ・デ・イタリアはそれほど、大きな自転車レースのイベントなんです。
100年以上の歴史がある伝統のイベント
ジロ・デ・イタリアが始まったのは、1909年と約100年以上も前。スポーツ新聞である「La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)」を発行しているRCSスポルト社が主催をしています。
オフィシャルカラーはピンク。街もピンク色に。
ジロ・デ・イタリアのオフィシャルカラーはピンク。これは、主催の「ガゼッタ・デロ・スポルト」の紙面が、ピンクだからです。そのため、5月のジロ・デ・イタリアの季節になると、コースに指定された都市を、ピンクでライトアップしたりなど、あちこちにピンクの照明が灯り、レースを盛り上げます。
ジロ・デ・イタリアってどんな大会?
大会は毎年5月に開催
ジロ・デ・イタリアは、毎年5月に、約3週間かけて争われるレースです。開催期間は、毎年変わりますが、だいたい5月10日前後から月末、または6月の初旬ぐらいに行われます。
場所(コース)はイタリア全土
ジロ・デ・イタリアのジロは、Giroと書き、イタリア語で「周遊」や「1周」という意味。しかし、毎年コースが変わるので、場合によっては、サルデーニャがはずれたりなど、すべての地域を網羅しているわけではありません。
また最近のジロ・デ・イタリアは、出発地がイタリア国外ということも多くなっています。2020年もハンガリーからスタート。イタリア国外のコースは、今までにないコースを選手が走る新鮮さが魅力です。
ステージレースで競うジロ・デ・イタリア
ステージレースは、複数のステージ(3〜20ステージ)を競って、合計タイムの短さを競うレース方法です。合計タイムを競う総合順位のほか、各ステージごとで順位を決めたり、コース上のポイント通過順位でも、得点が加算されたりするなど、観戦者を飽きさせない工夫が随所にあります。
難易度高めの多彩なステージ
ジロ・デ・イタリアは、全部で21ステージあり、全長は3,500㎞にも及びます。1つのステージの長さは、8㎞〜250㎞。山や海沿いの道など風光明媚な場所も多く、平坦ステージ、山岳ステージの他、個人やチームでのタイムトライアルステージなど、多彩なステージが用意されています。
1番の特徴は山岳ステージや急勾配が多い

また、ジロ・デ・イタリアは「山岳ステージが多い」ことが特徴です。ツール・ド・フランスに比べると、圧倒的に勾配が厳しい山岳ステージや、5月だと雪が残っている場所もあり、かなり厳しいレースになることから、世界最高のレースとの呼び声も高いのです。
参加選手は世界各国から
出場選手は世界各国から、参加します。参加人数は、年によっても違っていますが、2019年は約180の選手がエントリー。UCIワールドチームやプロコンチネンタルチームの他、主催者招待枠であるワイルドカードに選ばれたチームをあわせ、25〜28チームほどが参加します。
気になる賞金総額は?
ジロ・デ・イタリアで、総合優勝に輝いた場合の賞金総額は、約3,200万円。2位は約1,600万円、3位は800万円です。賞金の額は違いますが、1位から20位までの選手が賞金を手に入れます。
また、総合優勝の賞金のほか、各ステージ優勝や、マリア・ローザ(区間賞)、山岳賞、ポイント賞、新人賞など、様々な賞金があります。
厳選!レース観戦の2つの見どころ
ジロ・デ・イタリアの見どころは、たくさんあるのですが、おすすめは下記の2つのポイントです。
最高傾斜19%!きつい山岳コースがもりだくさん
ジロ・デ・イタリアは、山道など傾斜が10%以上という急斜面やきついカーブ、登り降りが続きます。風景も美しいのですが、急斜面を登っている選手をみると、見ている方も思わず手に汗にぎります。
マリア・ローザなど個人賞のチェックも醍醐味
ジロ・デ・イタリアには、マリア・ローザと呼ばれるピンク色のジャージがあります。それは、個人総合1位の人が翌日に着る権利を与えられる栄光のジャージ。レース観戦している人も、一発で見つけることができるので、顔で覚えられない人は、ピンクのジャージをチェックすれば簡単です。
2020年はハンガリーからスタート
5月9日ブダペストから開催
2020年のジロ・デ・イタリアは、ハンガリーのブダベストがスタートです。最近は、イタリア国外が多いのですが、ブダベストは初めて。イタリアでは、ジロ・デ・イタリア関連のニュースとしてブダベストを紹介したりなど、もう今から準備に入っている感があります。
上記の動画は、2020年のジロ・デ・イタリアのコースを紹介したものです。海側山側などグラフィックでわかりやすくなっているので、どんなコースを自転車で通るのか、見てみるのも面白いですよ。
イタリアのステージはシチリアから北上するコース
ブダベストのステージが終わると、今度はシチリアに入り、ギリシャ神殿で有名なアグリジェントや、活火山で有名なエトナ山を見ながら、イタリア本土に入り、北上していくコースです。
長いから面白いジロ・デ・イタリア観戦
ジロ・デ・イタリアは、有名選手もたくさん出ますし、魅力的なコースも多く、自転車ファンにはたまらないレースの1つです。
今まで見たことがないという人なら、ぜひ1度は見てみると良いですよ。その楽しさに、ハマること間違いなしです!