東京下町で自転車史跡を巡るサイクリング
スポーツとして、生活として普段から当たり前のように乗っている自転車、日本は自転車大国と言っても言い過ぎではありません。
なぜ、その自転車が国内で大きな役割を持ち、浸透し生産を続けているのかご存じでしょうか?実は、日本の自転車の歴史には不明な部分も多く、資料もあまり残っていません。
そこで今回は、フレームビルダーのレジェンドであり、国内の自転車の歴史を研究する梶原氏のエスコートで、東京下町の自転車遺産を巡るポタリングに参加してきました!
東京が自転車製造のメッカ?
戦前から東京下町は工業が盛んで、国産自転車の歴史もそこから始まりました。
国産・量産第一号の自転車を作った宮田自転車、界隈には自転車製造・販売・部品製造などの工業が集まり、上野・浅草周辺は自転車のメッカになったのです。
自転車に関連する工業でも、国内で初のゴム生産の地や、鉄鋼のルーツなどが集まっています。
上野・浅草周辺の自転車史跡紹介
上野・浅草周辺は自転車製造や、日本の工業が産声を上げた場所です。
ポタリングをしながら自転車の黎明期に思いを馳せてみるのもいいですね!
スタートは両国
ポタリングのスタートは江戸東京博物館前、上野公園まで史跡を巡りながら約20Kmの予定です。
宮田製作所工場跡
日本で初めて自転車生産を行った宮田製作所、現在は所有者も変わり住宅や駐車場になっていますが、工場の頑強な基礎など当時の面影を見ることができます。
宮田製作所の跡地は墨田区から認定されています。
タイヤ製造のルーツ、ゴム発祥の地
自転車だけではなく、あらゆる工業製品に欠かせないゴム、国内で初めて製造した「三田土ゴム」があったのは上野です。
上野駅のすぐ近くで、生活に欠かせないゴムが初めて工業化・製造されたなんて意外ですね。
山口自転車跡
戦前から自転車製造・販売を行い、その後にモーターサイクルも生産した山口自転車、現在は自転車製造を行っていませんが、宮田製作所と共に自転車の黎明期を支えたメーカーのひとつです。
三浦・関根・ゼブラ跡
明治35年に自転車製造を開始した「ゼブラ自転車」、他にも実用車の製造を行っていた「三浦自転車」「セキネ自転車」など、ヴィンテージマニアに人気の高いメーカーは日暮里周辺にありました。
梅津元晴墓(日本最初の自転車製造工業化)瑞輪寺
宮田製作所と協力し、国内初の汎用自転車を開発した梅津元晴氏の墓地は、上野公園近く「瑞輪寺」にあります。
その後も自転車の国産化・普及に尽力した、日本の自転車の父ともいうべき方ですね。
自転車競走初開催地 上野公園
明治時代「上野公園」は自転車競走のメッカでした。周回レースが行われていた不忍池畔が今回のポタリングのゴールです。
周辺にはこんな見どころも!
「鬼平犯科帳」「遠山の金さん」で有名ですが、こんなところに屋敷跡があるんですね!
調理器具で有名な「河童橋」もポタリングルート上です。
東京自転車歴史フォーラムが本格始動します!
今回は国内で初めての自転車製造、タイヤのルーツとなるゴムの初めての製造やフレームに必要な鉄鋼の原点、黎明期に自転車の製造・販売を行ったメーカーの史跡を巡りました。
12月には「東京自転車歴史フォーラム第1回発表会」を開催、来春よりイベント開催予定なので、気になる方はぜひチェックしてみましょう!