Bryton420屋外

「Bryton Rider420」実機レビュー!機能や使い勝手は?

高コスパのサイクルコンピューター(サイコン)ブランドとして人気のBryton。そのミドルグレードである「Rider420」を、実際に使用してみました。ナビ機能も搭載しつつ、1万円台と低価格が魅力の本製品。上位機種や他メーカーのサイコンと比較しつつ、使用してみての素直な感想をまとめていきます。

目次

アイキャッチ画像:筆者

Rider420の基本スペック・特徴

BrytonのRider420とは、どんなサイコンなのでしょうか?

まずは、基本スペックや特徴を見ていきましょう。

Bryton Rider420

初心者でも使いやすいミドルグレード!

各社のミドルグレード・サイコンの中では、シンプルな機能に絞り、初心者の方でも使いやすくしたモデル。GPSサイコンとしてはバッテリーの持ちが良いのも特徴です。


地図表示は出来ませんが、ルートを読み込ませナビをしたり、各種センサーと連携したりと、ミドルグレードを謳うだけの機能性を兼ね備えています。

本体サイズH83.9×W49.9×D16.5mm
画面サイズ(実測)48×35mm
重量67g
最大駆動時間35時間
ナビ機能あり(地図なし)
マルチGNSS対応(みちびき対応)
無線接続Bluetooth,、ANT+
価格(税込み)18,150円

Brytonって?

Brytonロゴ

出典:Bryton

Bryton(ブライトン)は、GPS機器を扱う台湾のブランド。コストパフォーマンスに優れるサイコンを世に送り出し、人気を博しています。

「すぐ取り付けて、すぐ使える」というコンセプトを掲げ、初心者でも扱いやすい製品を作っているのも特徴です。

Brytonのサイコンのラインナップは、こちらの記事にまとめていますので参考にしてみてくださいね!

外観をチェック!

それでは、Bryton Rider420の付属品や外観をチェックしていきましょう。

Bryton420付属品

撮影:筆者

箱の中は、本体の他、マウント・ストラップ・microUSBケーブル・説明書。

Ride420はGPSサイコンですので、バイクにセンサー類を取り付けることなく、そのまま使用を開始することができます。

本体は縦長で、この価格帯のサイコンでは画面が大きいのが特徴ですね。ディスプレイは白黒で、大きめのドットで文字が表示されます。

Bryton420正面、裏面

撮影:筆者

ボタンは下側の左右に2つと、本体の裏側に2つ。裏にもボタンを配置するという、珍しいデザインです。

Brytonマウント

撮影:筆者

付属のマウントは、ゴムバンド式なので工具いらずで簡単。

本体は、マウントに押し付けた状態で90度回すことで着脱します。扱いやすいので、初めてのサイコンという方でも、安心して使い始められますよ。

Bryton420全体

撮影:筆者

付属のマウントで、ハンドルに取り付けてみました。画像のハンドル幅はC-Cで420mmです。

バイクに付けても程よく存在感のあるサイズで、ぱっと見で確認がしやすそうですね。大きすぎて上ハンが握りにくくなる…といったことも起こりにくい、ちょうどよい大きさです。

ただし、本体が縦長なので、短いステムの上には取り付けにくいかも知れません。

スマホやPCとの連携は?

では、スマホと連携をしてみましょう。

Bryton420PC

撮影:筆者

Rider420は、専用アプリ「Bryton Active」を使用してスマホと連携します。

Brytonはスマホとの連携に力を入れており、設定やデータの管理を全てスマホで完結できるようになっています。面倒なPC操作が無く、初心者の方でも扱いやすそうですね。逆にいえば、PCから直接サイコンにルートを送ることが出来ないなど、PCをメインに使用しているユーザーにとっては使いにくいかも知れません。

Bryton Active

出典:Bryton Active

アプリは多機能で、ルートの作成やサイコンへの送信、走行データの記録、分析までできます。走行時のログもかなり細かく表示できるため、ライドの振り返りも楽しいですね。

スマホアプリの使い勝手ですが、機能は充実しているものの、アプリの動作がやや重たいのが惜しいところ(iPhone13 miniで最新バージョンを使用)。今後のバージョンアップに期待したいです。

Bryton420ロード

撮影:筆者

また、スマホからRider420にデータを送る際、時間がかかるのがネックでした。

特に大きなデータ(100㎞を超えるルートや、新しいファームウェアなど)では、完了まで数時間に及ぶことも。サイコンだけでなくスマホまでも使用できなくなるため、夜間にしか作業ができませんでした。

上位機種(Rider750)では、同じデータでも一瞬で移行が完了したため、アプリよりRider420の性能によるものかも知れません。

実走での使い勝手は?

続いて、実際に使ってみての感想に移りましょう。

簡単操作ですぐに計測!

Bryton420起動

撮影:筆者

電源を入れたらGPSの測位が自動で始まり、右下のボタンを押せばログの測定開始です。

起動からスタートまでシンプルな操作で行えますので、簡単にログを取りたい方には使いやすい設計でしょう。

Bryton420屋外4

撮影:筆者

Rider420は「みちびき」にも対応していますので、日本でも正確なGPS測位が可能。ログのデータを見返しても、かなり正確でした。

ボタンの操作感は、側面のボタンに関しては大きくて押しやすいので、走りながらでも操作しやすいです。滑り止めのギザギザも付いていて、走行中でも確実に操作できます。

Bryton420屋外3

撮影:筆者

しかし、本体裏のボタンに関しては、どこにあるのか手で探さなくてはならず、少々使いにくいと感じました。特に、冬用のロンググローブをしていると、操作が難しかったです。

裏のボタンは走行中に操作する機会が少なく、慣れの影響も大きいとは思いますが、個人的にはマイナスポイントとなってしまいました。

大きな画面に、最大8項目表示できる

Bryton4208項目

撮影:筆者

1ページに表示できる項目は、最大8つ。画面が大きいので、8分割させても大きな数字で表示できるのはありがたいですね。

表示する項目の数や種類、位置は自分でカスタマイズ可能で、表示可能な項目はなんと80項目以上なんだとか。自分好みのサイコン画面を作り上げることが可能ですよ。

Bryton420屋外2

撮影:筆者

バックライトの明るさも十分で、昼夜問わずストレスなく使用することができました。

ドットが粗いのが気になるかも?

Bryton420ドット

撮影:筆者

少し気になったのは、画面のドットが荒いことと、画面の切り替わりに残像感があること。

画面が大きくても描画が荒いので、細かい表示は得意でなさそうです。また、画面の切り替わりが残像を残しつつゆっくり変わるため、操作自体には大きなラグはないものの、もどかしさを感じました。

あくまで個人の感覚ですので、気になる方はぜひ店舗などで実物をご覧ください。

どんな機能が備わっている?

それでは、Rider420にどんな機能が備わっているか、詳しく見ていきましょう。

多様なセンサーと連携可能

Bryton4208項目

撮影:筆者

走行中に表示できる項目は、速度や距離といった一般的なものから、ケイデンス、心拍数、パワーなど、他のセンサーを連携させて表示させる項目も充実しています。

電動変速の表示(ギア比やバッテリー残量など)、更にはスマートトレーナーとの同期にも対応していますので、幅広い使い方ができますね。

今はまだセンサー類を持っていなくても、これから周辺機器を増やしていきたいという方にも嬉しい設計でしょう。

ナビ機能は補助的なもの

Rider420のナビ機能は、取り込んだルートの軌跡を表示するタイプです。軌跡の表示のみで、地図の表示はできません。

Bryton420ナビ

撮影:筆者

画像の様に、曲がり角までの距離や方向を表示してくれます。ルートの軌跡だけでなく、曲がるポイントまでの距離を「○○m」と表示してくれるため、分かりやすく安心感がありますね。

ただし、やはり地図表示が出来ない分、込み入った路地や複雑な交差点は苦手です。ルート通りに走ることを重視するなら、スマホ等と併用することをおすすめします。

Bryton420ナビロスト

撮影:筆者

ルートから外れてしまった際には、「ルート外」と通知をする機能もあります。

しかし、システム上のバグか、時折ルート通りに走っていても「ルート外」の判定になることがありました。ここも、ナビを使用するうえで少々ストレスだった点です。

Bryton420ナビスマホ

出典:Bryton Active

ルートのデータは、あらかじめ用意したものはもちろん、出先でBryton Activeアプリを用いて作成したものを、その場で使用することも可能です。旅先で立ち寄りたい場所を都度調べ、Bryton Activeでルートを作成、すぐにサイコンに読み込ませてスタート…という使い方もできますよ。

ただし、長距離のルートはサイコンに読み込ませるのに時間がかかるため、数十㎞まで短いコースで使用するのが良いでしょう。

標高グラフでコースをチェック!

Bryton420標高

撮影:筆者

ルートナビを使用していれば、画像の様にこの先の標高グラフも大まかに表示させられます。走行中にペース配分を考えたい場合に、役立つ機能でしょう。

斜度や細かい標高までは分かりませんが、疲れているときに視覚的に確認できるのはありがたい機能ですね。長い峠を登り切ったときには、達成感がありそうです。

バッテリーの持ちが良い

バッテリーの持ちは、公称35時間とGPSサイコンにしてはかなり長いです。

これならロングライドでも使用可能ですし、バッテリーの充電頻度も減るので、通勤や街乗りで日常的に使用する方にも良いですね。

価格は?

お金

Rider420の価格は、本体のみで18,150円(税込み)。GPSサイコンとしては低価格で、初期投資を抑えたい初心者の方にはうれしい価格帯ですね。

対応するセンサー類も豊富ですので、ゆくゆく使用機器を増やして機材をアップグレードする際にもこれ1つで対応できるでしょう。

ただし、コストパフォーマンスが高いというより、価格通りの設計だと感じました。

本体の質感や液晶画面のクオリティもさることながら、使える機能や本体の処理能力などは上位機種ときちんと差別化されています。購入前に、ご自身の求める機能や性能をよく確認するのがおすすめですよ。

こんな人におすすめ!

Bryton420起動

撮影:筆者

BrytonのRider420をおすすめ出来るサイクリストを、私なりに挙げてみました。あくまで個人の考えですので、参考までにしていただければ幸いです。

初めてのGPSサイコンを購入する方
・スマホだけでライド記録やルートを管理したい方
シンプルな機能に絞って、投資額を抑えたい方
・シティライドなど、比較的短距離のライドが多い

走行記録などをスマホで管理したい、難しい設定は抜きにして簡単に使いたい、という方にはおすすめ出来ます。

逆に、ナビ機能をしっかり使いたい方や、シリアスなライドをする方、ログやルートをPCで管理したい方、高級な質感や使用感を求めている方は、他の選択肢を検討されても良いと思います。

まとめ

Bryton420斜め

撮影:筆者

ナビ機能を搭載したミドルグレードながらに、価格を抑えたRider420。基本的な性能に絞って作られたサイコンで、サイクリング初心者の方の使い方に適しているでしょう。もちろん、各種センサーやスマホと連携できますし、接続も安定していました。

一方で、長距離のナビ機能に難がある点や、使える機能が少ない点は気になりました。ナビやトレーニング用途として本格的に使用したい方は、同じBrytonなら上位機種のRider750をおすすめします。

他のサイコンとの比較は、こちらの記事で行っています。ぜひ併せてご覧ください!