出先では“チューブ交換”、自宅では“パッチ修理”がおすすめ
ロードバイクやクロスバイクのパンク修理には、”パッチ”を使ってチューブの穴を塞ぐ方法と、チューブをまるごと交換するチューブ交換の方法の2つがあります。
サイクリング中などの外出の場合、パンクした穴を探す時間や手間がかかるパッチを使った方法より、チューブ交換がおすすめです。
チューブ交換した後、穴のあいたチューブを持ち帰ってパッチ貼りで修理をすれば、予備チューブとして、再利用もできます。
パンクの原因は?
パンクの原因の多くは、タイヤの空気圧が適切でない時などに、段差などでチューブを打ち付け、チューブに穴が空くリムバイト・スネークバイトと呼ばれるものが大半です。
また、その他では、バルブの閉め忘れや、空気を入れたときに異物が挟まる、またはバルブ部品の劣化、製品の初期不良などでもパンクをする可能性があります。
必要なアイテムをそろえよう
まずは、サイクリングに出かける時などに、最低限持っていきたいパンク修理アイテム、持っていると便利なアイテムをご紹介!
・換えのチューブ
・タイヤレバー
・携帯ポンプ
この3点があれば、サイクリング中のパンク時にチューブ交換でパンク修理ができます。サドルバッグや、ツールボックスに入れるなどして、出かける際は忘れないようにしましょう。
用意しておくと便利なアイテム
上記の3点以外に、用意をしておくと役に立つアイテムをご紹介します。
CO2ボンベ
BARBIERI ミクロボセット
圧縮ガスをいれたボンペで、数秒でタイヤに空気を入れることが可能です。
サイズ | 46×38×21mm |
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付属品 | CO2カートリッジ16g (1本) |
タイヤブート
ParkTool パークツ TB-2C
チューブではなく、タイヤも裂けてしまったときに使用するタイヤ用のパッチです。裏側から裂けた部分に貼りつけて使用します。一時的に走れる状態にするものなので、タイヤブートを貼っていてもタイヤは交換しましょう。
内容 | 3枚入 |
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サイズ | 76×45mm |
それでは、チューブ交換の方法をご紹介していきます!
出先で必要な、チューブ交換の手順
それではパンク修理に必要な、チューブ交換の手順を順番を追って、ご紹介していきます!
タイヤを外す
大半のロードバイク、クロスバイクは、クイックリリースと呼ばれるレバーでホイールを外すことができます。まずはブレーキを緩め、その後詳しいのレバーを緩めたら、ホイールを下に落とすようにして車体から外してください。
ディスクブレーキ仕様のロードバイクではスルーアクスルが使われていますので、スルーアクスルの場合は抜いてホイールを外しましょう。
▼▼クイックリリースの詳しい記事はこちら▼▼
▼▼スルーアクスルの詳しい記事はこちら▼▼
タイヤレバーを使い、タイヤの片側をリムから外す
タイヤレバーをタイヤとリムの間に差しこみ、テコの要領で「ビード」というタイヤの縁の部分(固いことろ)を、リムの外側に出します。
15㎝ほど間隔をあけて、2本以上、タイヤレバーを差し込むと、タイヤが外しやすくなります。タイヤの3分の1ほどビードが、外側に出ればそのまま手で外すことができるでしょう。
チューブを抜き取る
長期間タイヤに入れていたチューブは、融着している場合があるので、バルブ部分を裂かないようバルブから離れたところからゆっくりとチューブを抜きだしてください。
その際、タイヤに異物が刺さっていないかも手で触って確認しましょう。パンクの原因となる異物がある場合は取り除いてください。
新しいチューブに少し空気を入れ、タイヤにおさめる
新しいチューブをタイヤに入れる前に、少しだけ空気を入れふくらませましょう。少しだけふくらんだチューブは、タイヤに収めやすくタイヤとリムのあいだにチューブが噛みこむのをふせぎます。収めるときは、バルブから先に入れタイヤ内に均等に収まるよう調整してください。タイヤパウダー・ベビーパウダーなどをチューブ表面につけると、融着をふせぎタイヤの収まりがよくなります。
タイヤをリムにおさめる
空気を入れる前に、タイヤのビード部分を全てリムに入れます。この時、タイヤとリムの間にチューブを挟みやすいので、注意しながらビードを入れましょう。
手で入れることができますが、硬い場合はタイヤレバーを使い、外すときと逆の手順でリムに入れこんでみましょう。バルブとタイヤロゴの位置を確認しておくと、タイヤの異物などが探しやすくなります。
空気を入れる
タイヤをおさめたら、バルブが斜めではないか、チューブが飛び出していないかを確認し空気を入れましょう。携帯ポンプの場合、製品にもよりますが、フロアポンプで入れられる空気圧まで入らないものもあります。特に小型で短いポンプは、高圧に適していないものも多いので、一時的に空気を入れて近くのショップまで行くか、確実に高圧の空気を入れたい場合はCO2ボンベを携帯しましょう。
タイヤに空気が入ったら、フレームにタイヤを装着して修理完了です!
▼▼携帯ポンプの詳しい記事はこちら▼▼
自宅でもできるパッチのパンク修理方法
パンクしたチューブの再利用や、自宅での修理方法の、パッチを貼った方法をご紹介します!
PARKTOOL パンク修理用パッチキット VP-1C
キット内容 | ・丸型パッチ(25mmφ)×4枚 、角型パッチ(25×35mm)×2枚 、パッチ専用溶着剤、紙ヤスリ |
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タイヤを外す
前述のチューブ交換と同様に、クイックレリーズまたはスルーアクスルでホイールを外しましょう。
タイヤレバーを使い、タイヤの片側をリムから外す
前項と同様にタイヤのビードを外しますが、これから修理するチューブなので、レバーなどで噛みこんで余計な穴をあけないよう注意しながら外しましょう。
チューブを抜き取る
同様に、チューブを傷つけないよう注意をしながらチューブを取り出します。その際、パンクの原因となる異物がないか、よく見ながら外しましょう。
外したチューブのパンク穴を探す
大きい穴は目視でわかりますが、小さい穴は見ただけではわからないので、パンク穴を確認するために、外したチューブにもう一度、空気を入れて目視、音で漏れている場所を探してください。それでもわからない場合は、水や砂につけて空気が噴きだす部分を探すこともできます。穴の位置がわかったら、タイヤの同じ場所もチェックし異物がないか確認しましょう。
パンクの原因は穴だけではなく、バルブの不具合の場合もあるので合わせてチェックしましょう。
パッチを貼るための下地作り
穴を見つけたら、見失わないようにサインペンなどでマーキングをしましょう。
パッチを貼る前の下地作りとして紙やすりをかけ、その後に表面の汚れをとり綺麗にします。
糊を穴のまわりに、パッチより広く塗布して表面が乾くまで待ってください。
パッチを貼りつける
ある程度、表面が乾いたらパッチを貼り、ローラーやハンマーなど硬いもので上から強く押し付けます。
糊の必要のないパッチの場合は、表面の汚れがとれたらそのまま貼りつけましょう。
チューブの修理ができたら、予備として保管するか、チューブ交換と同様にタイヤにセットしましょう。
空気を入れる
自宅でのパンク修理の場合はフロアポンプを使い、7~8気圧まで上げてタイヤが正常にはまるか、確認しましょう。
パンクを防ぐために覚えておきたい4つのポイント
パンクは100%、防ぐことはできませんが、修理と予防はポイントをおさえれば、無用なパンクを防ぐ事ができます。3つの走行前にすることと、走行中に注意するポイントをまとめました。
走行前には空気圧の確認
タイヤに適正な空気圧の空気をいれることは最も大切なパンク予防策です。適正な空気圧の数値はタイヤの側面の数値をみて確認しましょう。
定期的なチューブ交換
ゴム製のチューブは、パンクをしていなくても劣化します。ゴム自体の劣化もありますがバルブ部分の破損、バルブ部品の劣化なども起こります。一般的に寿命は4,000~5,000㎞といわれていますが、走行距離にかかわらず長い期間、使用している場合は交換しましょう。
チューブなどゴム製品は冷暗所での保管、持ち歩くときは遮光性の高い袋などに入れると劣化を防げます。
洗車時などに異物チェック
チューブを交換しても、タイヤに異物が刺さったままでは意味がありません。交換時のチェックも大切ですが、洗車をするときに表面の傷もチェックしましょう。何かが刺さっていたり、細かい傷をよくみると奥に異物が入っていたりすることがあります。
パンクをしない走り方
走りながらガラスや釘をよけることはできませんが、そういった異物が多くある路肩を避ける・障害物を乗り越えるときにハンドルに体重をかけないという2点を注意すれば、パンクをする可能性は格段に減らすことができます。
もうパンクは怖くない
ロードバイクやクロスバイクに乗っていると、怖いパンク。ですが、対処法を知っていれば、ほんの少し止まるだけで元のように走りだすことができます。最初は時間がかかってしまうかもしれませんが、慣れてしまえば10分もかからず対応できるようになるでしょう。
そうなれば「パンクはトラブルのうちに入らない」と言えるようになりますね。