シートステーとは?
シートステーとは、自転車のフレームを構成する、パイプの名称の一つです。自転車のフレームは「ダイヤモンドフレーム」と言われ、前の大きな三角形と後ろの小さめの三角形が合わさった、ダイヤモンド形が基本です。
シートステーは、後ろ三角の、サドルと後輪の中心を結ぶパイプのこと。スポーツタイプの自転車に限らず、ママチャリなどのシティサイクルでも共通の名称です。
シートステーの役割
シートステーの役割は、大きく二つあります。一つ目が振動吸収。シートステーが細いのは、しなりやすくするため。適度に振動を逃すことで、乗り心地が良くなります。
二つ目は剛性。ペダルを踏んだ力を、効率よく推進力にするには、自転車の剛性が重要です。ただ、現在のトレンドでは、フレームの剛性に影響があるのは、シートステーよりもチェーンステーとダウンチューブだと考えられています。そのため、より速く走る点では、シートステーは必要ないと言う考えもあるようです!
シートステーの形状
素材によって、さまざまな形状があります。太さ、円柱、楕円などの形状、ストレートかベント(湾曲)か。振動吸収性を高めるため、各社こだわりを持って設計しているため、デザイン面で大きな個性となります。
そして、最近のロードバイクでは、ドロップシートステーと呼ばれる、シートチューブへの取り付け位置が低いモデルが増えています。シートチューブが動きやすくなるため、振動吸収が良くなります。また後ろの三角形が小さくなることで、剛性も上がるので、メリットが大きいですね!
フレームの名称を覚えておこう!
① | トップチューブ |
② | ヘッドチューブ |
③ | ダウンチューブ |
④ | シートチューブ |
⑤ | シートステー |
⑥ | チェーンステー |
フレームを構成する各部の名称は、ごちゃごちゃになりやすいもの。「シートステーって、どこだっけ?」と混乱しがちです。そこで、
- ⚫️ 前の大きな三角を構成する部分は「チューブ」
- ⚫️ 後ろの小さな三角を構成する残り2本は「ステー」
と押さえておけば、覚えやすく、忘れにくいですよ。後は一番上にあるのがトップ、先頭にあるのがヘッド、サドルを支えるのがシート、チェーン付近だからチェーンと、場所と名称を関連づけて覚えればOKです!
シートステー、他にも役立ちます!
シートステーは、ライトやキャリアなど、パーツを取り付ける際に存在感を発揮します。具体的に見て行きましょう。
リアライト・リフレクター(反射板)
スポーツバイクには、フェンダー(泥除け)やリアキャリアが付いていないことが多いので、リアライトを付ける場所は、サドルレールかシートステーになります。上の写真のように大きめのサドルバッグをつけると、必然的にシートステーに付けることになりますね。
筆者はバンド取り付けタイプの、シートステー用ライトを使っています。位置を自由に変えられるので、便利ですよ。
フェンダー(泥除け)
フェンダーを後付けする場合、左右のシートステーをつなぐブリッジ部分が使われます。名称もそのままズバリ、シートステーブリッジと言います。ブリッジ部分にある穴に、補助金具を取り付け、そこにフェンダーを装着します。
リアキャリア
シートステーにダボ穴があれば、比較的簡単にリアキャリアを装着することができます。シートステーのサドルに近い側と、後輪の車軸の近くにあるダボ穴に、リアキャリアの足を固定するだけでOK!ダボ穴がない場合は、シートステーに金具で装着するタイプのキャリアもありますよ。
カーボンシートステー、破断に注意!
カーボンフレームは落車だけでなく、倒してしまったときにも打ちどころが悪いとクラックが入ってしまう可能性があります。軽量に作られているトップチューブだけでなく、フレームの中でも特に細い、シートステーも割れやすいと言えるでしょう。
「気づいたらクラックが入っていた!」と言うケースもあるようなので、乗った後は軽く掃除しつつ、異常がないか、確認すると良いですね。原因としては、落車、自転車を倒した、飛び石、岩などへの接触、輪行時に他のパーツと接触した、等があるようです。
シートステーに注目!
シートステーは走行性能、乗り心地、デザインと、自転車を楽しむ上で重要な要素に深く関わっています。
あなたの自転車のシートステー、どんな形状をしていますか?