ディスクブレーキってなに?リムブレーキと比較しながら解説します

ロードバイクやクロスバイクといったスポーツ自転車には、ディスクブレーキが採用されることが一般的になってきました。ディスクブレーキは「ブレーキが効きやすい」と言われがちですが、これまで主流だったリムブレーキとどれほど違うものなのでしょうか?

ディスクブレーキの構造を紹介しつつ、リムブレーキと比較した際のメリットとデメリットを解説していきましょう。

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目次

  • “ディスク”を挟むディスクブレーキ
  • 油圧式と機械式の違いを詳しく紹介
  • ディスクvsリム比較①:制動力
  • ディスクvsリム比較②:メンテナンス性や取り扱いやすさ
  • ディスクvsリム比較③:重さ
  • ディスクvsリム比較④:カスタム
  • ディスクvsリム比較⑤:価格
  • こんな方はディスクブレーキを!
アイキャッチ画像出典:Flickr/Glory Cycles

“ディスク”を挟むディスクブレーキ

ディスクブレーキ

撮影:編集部

自転車のブレーキの種類の一つに「ディスクブレーキ」があり、ロードバイクやクロスバイクなどのスポーツバイクでも多くのモデルに装備されています。

 

ディスクブレーキとは、ホイール中心部の円盤(ディスク)を、ブレーキパッドで挟むブレーキシステムのこと。

 

自動車や鉄道でも使われているブレーキシステムです。

 

油圧式と機械式の、2種類の方式

ディスクブレーキには、油圧式と機械式の2種類あります。

 

油圧式と機械式

画像:筆者

 

●油圧式ブレーキ:ブレーキレバーを引くと、ホースの中のオイルに圧力がかかり、ブレーキが掛ける

●機械式ブレーキ:ブレーキレバーを引くと、ワイヤーが引っ張られ、ブレーキが掛ける

 

この2種があるのは、ディスクブレーキの特徴になります。後ほど紹介するリムブレーキは、ほとんど機械式です。

 

近年、多いブレーキ方式

ディスクブレーキ

出典:Flickr/Glory Cycles

新車販売されるスポーツバイクに装備されるブレーキシステムは、ディスクブレーキが多くなってきています。一方、リムブレーキ装備のスポーツバイクは、少なくなっている傾向があります。

 

安定してブレーキングができるディスクブレーキが、様々な種類の自転車に採用されています。

 

クロスバイク、ロードバイク、MTBと、どんな車種でも採用されている

マウンテンバイク

もともとディスクブレーキは、オフロード系のスポーツバイクであるMTB(マウンテンバイク)で広く採用されていたブレーキシステムでした。

 

近年、ロードバイクやクロスバイクでも、ディスクブレーキがスタンダードになりつつあるブレーキシステムと言えます。

 

リムブレーキとは

ディスクブレーキvsリムブレーキ

画像:編集部

ディスクブレーキと対比される機構に、リムブレーキがあります。「ブレーキ面がどこにあるか?」で、ディスクブレーキとリムブレーキの違いがあります。

 

●ディスクブレーキ:ホイールの中心部分のディスクを挟んで制動する。

●リムブレーキ:ホイールの外周のリムを挟んで制動する。

リムブレーキとは、ホイールのリム部分を両側から挟み込むことによって制動する装置のことです。リムブレーキの中にも、キャリパーブレーキ、カンチブレーキ、Vブレーキといった種類があります。それぞれのブレーキの詳細は、以下の記事にまとめているのでチェックしてみてくださいね。
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また、ディスクブレーキとリムブレーキの間に、互換性はありません。ブレーキシステムシステムによって、「フレーム」や「ホイール」もブレーキシステムに合わせる必要があります。

 

例えば「ディスクブレーキの車体(フレーム)に、リムブレーキ用のホイールが使用できない」など、カスタムを考えている人は注意しましょう。

油圧式と機械式の違いを詳しく紹介

さきほど簡単に紹介した、2種類のディスクブレーキの伝達方法の違いを詳しく紹介しましょう。

 

油圧式ディスクブレーキの特徴

機械式ディスクブレーキ

画像:筆者

レバーからブレーキまでをホースでつなぎ、オイルの圧力でブレーキをかける仕組みです。

 

最も大きな特徴は、軽いタッチ(少ない力)でブレーキングができる事です。

 

長時間ライドやダウンヒルなど、頻繁にブレーキを掛ける場面でも手が疲れにくく、握力が弱い女性の方などにもメリットがあるでしょう。

 

ワイヤーを使用しないので、長期間のワイヤー摩耗によるブレーキ性能の低下が無いのもメリットです。摩耗によるワイヤー切れや定期的なワイヤー交換が不要になります。

 

ただし定期的なオイル交換が必要になります。工具を揃えれば自身で作業もできますが、コストと手間を考えると、ショップにお願いするのがおすすめです。

 

またレバーも重くなる、パッドの摩耗が一目で分かりにくいといったデメリットもあります。

 

機械式ディスクブレーキの特徴

油圧ディスクブレーキ

画像:筆者

レバーでワイヤーを引いてブレーキをかけるので、基本的な仕組みはキャリパーブレーキやVブレーキと同じです。

 

本体の可動部をワイヤーで動かすのが特徴で、ブレーキをかけるとアーム状のパーツが動かされピストンを押し上げます。ワイヤーが露出する形なので、微調整がしやすく作られています。

 

オイルがないため構造がシンプルでメンテナンス性が高いこと、ブレーキステム全体を軽量に仕上げられることがメリットです。ワイヤーが伸びてきたら、調節や交換が必要になります。パットもすり減ると効きが悪くなるので、一緒にチェックしておきましょう。

 

構造からして異なるディスクブレーキとリムブレーキですが、走行時にはどんな違いがあるのでしょうか?5つの項目に分けて比較していきましょう。

 

ディスクvsリム比較①:制動力

「リムブレーキよりもディスクブレーキの方がよくブレーキが効く」と言われます。その理由は、雨天時や悪路での制動力と油圧式ディスクブレーキゆえの軽いタッチに理由があります。

 

雨天や悪路などでの制動力は、ディスクブレーキの方が高い

雨 ロードバイク

一般的に制動力が高いといわれているディスクブレーキですが、最大のメリットは「安定して高い制動力を保てる」ことです。

 

ブレーキバットで挟み込むディスクが、路面から離れたホイールの中心にある為、雨天や悪路などのコンディションによる影響を受けにくく、走行中も安定した制動力を得ることができます。

 

さらに、ディスクローターは水はけがよく、付着した水が泥を押し出したりするなど、雨天時でも高い制動性能を発揮できます。

 

絶対的な制動力は、リムブレーキと比べ格段に優れるとは一概には言えませんが、安定的なブレーキはディスクブレーキに軍配があがると言って良いでしょう。

 

ブレーキのかかり方の違い

ブレーキ ロードバイク

ブレーキのかかり方に違いがあります。リムブレーキでは、レバーを7割ぐらい引いたところでブレーキが大きく効き始めます。しかし「油圧式ディスクブレーキ」では、ブレーキを引き始めたところから強く制動力が発揮されます。

 

このブレーキが利き始めるタイミングの違いで「ディスクブレーキの方がよく効く」と言われます。油圧式ディスクブレーキだとより顕著に表れる特徴です。

 

ワイヤーを引っ張るわけではなく、ホース内のオイルの圧力差でブレーキを掛ける構造になっているためです。長いダウンヒルでも疲れにくく、軽い力でブレーキングができるため、安全な走行にもつながります。女性や握力が弱い方には大きなメリットになるでしょう。

 

 

ディスクvsリム比較②:メンテナンス性や取り扱いやすさ

リムブレーキの方が、メンテンナンスや取り扱いが比較的簡単になります。それだけディスクブレーキの方が、メンテンナンスに知識や慣れが必要になってくる場面が多いです。

 

ディスクブレーキは調整が難しい

クリアランス調整が難しい

出典:Flickr/GloryCycles

ローター(ディスク部分)とパット(ディスクを挟む部分)の隙間がズレていると、ローターが擦れて音鳴りの原因になります。

 

クリアランス調整が必要ですが、ローターとパットの隙間はわずか1mm以下のため、調整はなかなか難しい作業です。

 

輪行の注意点

輪行時は、注意点が多い

出典:Flickr/Robert Thomson

ディスクブレーキの輪行は、リムブレーキより注意しておきたい点が増えます。

 

「ローターを曲げないようにする」、「車輪を外した状態でブレーキレバーを握らない」など、気を使う事が増えるでしょう。ディスクブレーキの輪行については、こちらの記事にまとめていますので、参考にしてください。
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ディスクvsリム比較③:重さ

ディスクブレーキ

ブレーキシステム全体では、ディスクブレーキの方が約200~400gほど重たくなると言われています。ディスクローターやパッドに加えて油圧ホースやオイルといったパーツが増えるためです。

 

ディスクブレーキ向けホイールはスポーク数が増え、フレームにもディスク台座が必要になりため、バイク全体の重量も装荷する傾向にあります。

 

バイク軽量化をしたい方やヒルクライムでのタイムを短くしたいなら、リムブレーキの方がおすすめです。

ディスクvsリム比較④:カスタム

タイヤやホイールを自分好みにカスタムするのも自転車の楽しみ方です。ディスクブレーキの方がよりカスタムの幅が広がります。

 

太いタイヤや、大きさが違うホイールも使える

ロードバイク ホイール

撮影:編集部

フレームやフォークが適合できれば、ディスクブレーキの方が幅の広いワイドタイヤや異なるサイズのホイールも装着することができます。

 

リムブレーキは、ブレーキシュー間の距離と取付位置に制限があるため、ワイドタイヤや異なるサイズのホイールを装着できません。

 

しかし、ディスクブレーキはその制限がないことが強みです。オフロード用の太いタイヤに頻繁に履き替えることが想定されるのであれば、ディスクブレーキも選択肢に挙がってきます。

 

ディスクブレーキならカーボンリムのホイールでも安心

カーボンホイール ディスクブレーキ

出典:Flickr/GloryCycles

ディスクブレーキは高性能なカーボンホイールと相性がいいです。リムがブレーキ面とならないので、軽いリムも採用しやすく、高性能なホイールに仕上げやすくなります。

 

リムブレーキの場合、カーボンホイールは素材の特性上、摩耗や制動力の面などの問題がでてきますが、ディスクブレーキであればその心配はありません。リムブレーキが原因で起きるリムの熱割れ、熱起因パンクも、ディスクブレーキでは基本的には起こりえません。

 

各ブレーキ対応パーツの手に入れやすさ

ディスクブレーキコンポ

出典:Flickr/GloryCycles

ロードバイク業界では、主流だったリムブレーキからディスクブレーキへ移行している時期です。リムブレーキ対応のホイールやパーツの製造をやめるメーカーもあり、リムブレーキ対応のパーツの販売数が少なくなってきています。

 

ですので、ディスクブレーキの方が対応パーツが多くあり、カスタム時にも、パーツの選択肢が豊富にあると言えるでしょう。

ディスクvsリム比較⑤:価格

ロードバイク レース

同スペックの完成車で比較した場合、ディスクブレーキ仕様が高くなりがちです。ディスクブレーキ単体でもリムブレーキより高価なことに加えて、フレームやホイールもディスクブレーキモデルの方が高くなる傾向があります。

 

また慣れていないとメンテナンスも難しい部分があるので、ディスクブレーキ車をショップへ持ち込む回数も増えるでしょう。メンテンナンス費を含んだ維持費も、高くなる場合があります。

こんな方はディスクブレーキを!

ピナレロ ロードバイク

出典:Flickr/GloryCycles

ディスクブレーキは、安定した高い制動力と油圧式ゆえの軽いタッチが、大きな魅力です。こんな方にはディスクブレーキが向いていると思います。

 

・通勤や通学など雨の日でも走る

・下り坂でしっかりブレーキの効くバイクが欲しい

・握力に自信がない

・カスタムの幅を広げたい

 

逆に、軽量化を目指したり、輪行を頻繁にしたり、メンテンナンスに自信のない方はリムブレーキの方が合っていると思います。どのモデルを選ぶかにもよりますが、価格はリムブレーキの方が低い傾向があります。

 

ディスクブレーキとリムブレーキにはそれぞれの良さがありますが、ディスクブレーキだからこそ発揮される性能があることも事実です。これからの自転車選びの選択肢に入れてみてはどうでしょうか?

 

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