スポーツ自転車のフレーム素材は、どれが良いの?種類別のオススメ素材も紹介

スポーツ自転車に使われるフレーム素材。クロモリ、アルミ、カーボンなどの素材がありますが、一体どんな違いがあるのでしょうか?それぞれの長所と短所を比較しながら、素材について解説していきます。ロードバイクやクロスバイク、マウンテンバイクにそれぞれ適している素材はどれなのかも、紹介していきましょう!

目次

  • 自転車に使われるフレーム素材って?
  • オールドスタイルの「クロモリ」
  • コスパの優れた「アルミ」
  • 軽量な「カーボン」
  • 自転車の種類で、使われるフレーム素材は変わる?
  • よくあるフレーム素材のウワサ話
  • まとめ
アイキャッチ画像:筆者

自転車を買う時にどうやって選べばいいでしょうか?

 

見た目?値段?サイズ?

 

それらもとても大事ですが、「自転車フレームが、何から造られているのか?」という素材の話も知っておくと、より自分に合うバイクを見つけられるでしょう。この記事では「フレーム素材の特徴」「各スポーツ自転車に向いているフレーム素材とは?」の2部構成でフレーム素材について紹介していきますね!

 

自転車に使われるフレーム素材って?

自転車 フレーム素材

出典:Flickr/Glory Cycles

スポーツ自転車にはどんな素材が使われているのでしょうか?

 

現在は主にクロモリ、アルミ、カーボンの3つです。

 

時代とともに使われるフレーム素材も変化し、現在はこの3種類を主に使うことが多いです。他にもチタン、マグネシウム、木材、竹などのマイナー素材もありますが、それはまたどこかでお話ししましょう。では、1つずつ特徴を見ていきましょう。

 

オールドスタイルの「クロモリ」

フレーム クロモリ

出典:Flickr/victor olausson

クロモリとは、クロムモリブデン鋼の略名です。鉄にクロムとモリブデンを加えた合金をクロモリと呼びます。

 

現在の自転車の形が完成した19世紀終わりから約100年間、スポーツ自転車用フレーム素材の王者として君臨してきたクロモリ(スチール)。現在のロードレースではほぼ使われなくなりましたが、趣味で自転車に乗る人たちにはいまだに根強い人気があります。

 

長所①細くて美しいデザイン

自転車 フレーム クロモリ

出典:Flickr/American Cyclery Official

クロモリは強度が高い素材なので、パイプ径を細く作れ、スタイリッシュな印象のバイクに仕上がります。

 

溶接により高強度にパイプ集合部も形成できます。これはアルミやカーボンにはないクロモリならではの魅力です。

 

長所②衝撃に強く、修復も可能

自転車 フレーム クロモリ

出典:Flickr/8bar bikes

クロモリの魅力は、丈夫なことです。

 

金属なので割れるリスクも低く、長期間にわたって使用できます。万一壊れた場合でも、クロモリなら修理は比較的容易です。溶接でパイプを繋げて作られているため、壊れた箇所も切断と溶接で修復できることが多いです。

 

長所③オーダーメイドができる

自転車 フレーム クロモリ

出典:Flickr/American Cyclery Official

フレームビルダーに依頼して、自分好みのフレームを作ることができるのも、クロモリの特徴です。大手メーカーのモデルではなく、個性的なモデルが欲しいなら、クロモリを検討しましょう。

 

他の素材と比べ、クロモリは素材が安価であること、成形用の大型設備が不要であることが主な理由です。フレームビルダーの細かなノウハウを持っていて、溶接方法やシート集合部の形状、フォークの曲げ方など様々な味付けができます。オリジナルの1台を作れることが、クロモリの魅力の1つでもありますね。

 

 

短所①重い

自転車 フレーム クロモリ

出典:Flickr/Phil Gradwell

クロモリ自体が重い素材のため、組み上げた時に重量が大きくなってしまいます。ロードバイクの場合、軽量なカーボンフレームと比較すると、ざっくり1,000g重くなります。自転車の骨格となるフレームだけで、この重量差が出てしまうのは、レース志向の人には大きなデメリットに感じるでしょう。

 

逆に平地メインを走る場合や、キャンプ道具など重たい荷物を積載する場合には、重量はあまり気にならないかと思います。

 

短所②錆びる

自転車 フレーム クロモリ

出典:Flickr/Mad House Photography

塗装部分は錆びにくいのですが、地が出ている部分から徐々に腐食していきます。とくにチューブ内部が錆びが起きることも多く、目に見えにくい場所なので、気づいたときには錆びが広がっていることもあります。

 

そんな時は、防錆スプレーで錆びを抑えるのが解決方法です。一度バラして注入するのが手間ですが、愛車を守るためにもぜひ手入れをしておきましょう。

ITEM
RESPO 防錆スプレー RS-930S
内容量:420ml

 

定期的に自分でチェックするか、ショップでオーバーホール(分解点検)してもらうのがいいでしょう。せっかくの愛車が錆びてしまうのは悲しいですからね。

 

 

コスパの優れた「アルミ」

自転車 フレーム アルミ

撮影:筆者

クロモリから移り変わってきたのが、アルミ素材です。1970年代から広がり始め、プロレースでも使用できるように改良が重ねられてきました。クロモリとおなじ金属素材ならではの溶接や、薄肉大径チューブへ変化したりと、高剛性かつ軽量なフレームに進化してきた歴史があります。

 

プロレースにおいてはカーボン素材にとってかわられましたが、クロモリよりも軽量で、カーボンのような破損リスクも低く、初心者向きのエントリーモデルに使われることが多い素材です。

 

長所①衝撃や腐食に強い

自転車 フレーム アルミ

撮影:筆者

クロモリでも挙げた丈夫なことは、金属であるアルミでも同じです。カーボン素材であれば、衝撃が加わるとチューブが割れて、使用不可能となってしまいます。しかしアルミは衝撃が加わっても凹む程度で、チューブ自体が割れることはめったにありません。

 

また、クロモリと違い、錆びを気にしなくてもいいことも長所です。直射日光や潮風、ほこりっぽい空気など過酷な環境下でも錆びることなく使用できます。

 

長所②性能に対して安価

自転車 フレーム アルミ

撮影:筆者

チタンも同じように金属の素材で、衝撃や錆びに強いのですが、加工が難しくコストも高価になります。素材そのものや加工が安価である金属素材は、アルミが一番でしょう。

 

また性能面に関しても、アルミは優れています。厚みフレームが登場した当時は「アルミは乗り心地が悪い」とマイナスなイメージが先行していました。しかし近年の技術進化により、大幅に改善されてきました。例えばハイドロフォーミングと呼ばれる技術で、チューブの内部から液圧をかけ、自由な形に成形できるようになりました。薄肉大径のチューブとなったことで、軽量にして高剛性のフレームが製造可能となりました。

 

短所①特化した長所がない

自転車 フレーム アルミ

撮影:筆者

こう言っては語弊が生まれそうですが、「特化した長所がない」ことがアルミフレームの短所となります。逆に言えば、これ以外に大きな短所がないとも言えます。

 

例えばカーボンと比較すれば、フレーム形状に制限があったり、重量も超軽量とは言えません。しかし衝撃に強く、そこそこ安価で、趣味レベルで使う分には十分なほどの性能を発揮します。特にこだわりがなければ、1台目の自転車として選択肢に一番に上がるのがこのアルミです。

 

軽量な「カーボン」

自転車 フレーム カーボン

撮影:筆者

カーボンとは炭素繊維を指します。炭素繊維を織り込み、クロス(ペーパー状)に仕上げてフレームを形作っていきます。

 

アルミが世に出た数年後にカーボン素材の自転車が広がり始めました。ロードレースでカーボンバイクが活躍するようになり、2000年初頭から各メーカーが一斉にカーボン素材のバイクを製造する方法へ舵を切り始めました。

 

カーボンを使うことで、圧倒的な軽量性と抜群の乗り心地、高い耐久性を実現することができました。いまではほとんどのメーカーが、トップモデルにカーボンフレームを置くようになり、カーボン全盛期が現在まで続いています。軽い、フレーム成形の自由度が高い、剛性バランスをコントロールできるということがカーボンの最大の特長です。

 

長所①軽い

自転車 フレーム カーボン

撮影:筆者

なんといっても軽さがカーボンの魅力でしょう。

 

金属とは違い、比重がとても小さいこと、薄く整形しても強度があることがカーボンの特徴です。比重が約1.8g/cm3と小さく、同じ体積でも重量は鉄の約25%、アルミの約66%というほど軽い材料です。機能部品してもパフォーマンスが高く、軽量化が重視されているロケットや航空機にもカーボンが投入されています。

 

軽量バイクには様々なメリットがあります。発進する、坂を登る、急加速をする、といったパワーが必要な時に、クイックに自転車は反応します。

 

長所②フレーム成形の自由度が高い

自転車 フレーム カーボン

出典:Cervélo

金属ではできない、自由な形を作れるのがカーボンの強みです。炭素繊維を織り込んで作っているためです。

 

薄肉チューブや、チューブ同士の接合部の盛り方、金属チューブにはできない曲げ方など、カーボンだからこその成形が可能です。逆に、金属では溶接技術やパイプ形成の制限があるため、自由なフレーム形状を作るのが困難になっています。

 

最近ではフレームの形だけではなく、フレーム内にギミックを取り入れることもカーボンなら可能です。例えばTREKなどは「ISO Speed」を導入して、減衰度合いを変化させて振動吸収性をコントロールしています。通常1本のトップチューブを、一体型の二重構造にしています。このように性能を最も発揮できる形に成形できることがカーボンの強みなので、プロレースの世界でもカーボンバイクが主流になっているわけです。

 

長所③剛性バランスをコントロールできる

自転車 フレーム カーボン

撮影:S.K.

カーボンは強度が非常に高い素材です。設計する際には、どんな力がかかるのかシミュレーションして、炭素繊維の配列を決めています。大きく力がかかる場所とそうでない場所で、カーボン繊維の種類を変えたり、織り方を変化させたりと、フレキシブルなフレーム作りが可能となっています。

 

クロモリやアルミといった金属では、強度は基本的に合金の配合により強度が決まってしまうため、カーボンのような繊細な剛性バランスを取ることができません。金属の弱点でもあった金属疲労、錆びがなく、厳しい条件下でも安定した性能を発揮する素材です。

 

 

短所①高価

出典:YouTube/SCOTT Sports

開発や製造にコストがかかりやすいため、カーボン素材の自転車は高い傾向にあります。

 

フレーム成形に自由度が高い分、高額な実験設備で研究を繰り返し、最適な形状を決めていきます。製造にも大型機械を使い精度の高いフレームを作っています。そういった開発や製造にかかったコストも含まれているので、販売価格が高くなってしまうのです。

 

逆に言えば、性能や品質が高いモノを作れるため、メーカーはハイエンドモデルにはカーボンフレームを据えていることがほとんどです。

 

 

短所②衝撃に弱く割れやすい

自転車 フレーム カーボン

出典:Facebook/Broken Carbon

「一箇所に力が集中すると割れが起きやすい」ことがカーボン最大の弱点です。

 

炭素繊維を樹脂で硬化させている構造なので、強い衝撃で繊維が切れると連続的に破損が発生します。とくに落車や自転車を倒したときに、ガツンと硬いものがぶつかるとカーボンが負けてしまいます、

金属素材であれば、凹みだけで済むことが多いのですが、カーボンでは深刻なダメージを負いやすいです。

 

繊維方向の衝撃には強いのですが、繊維の垂直方向からの衝撃に対しては弱く、フレームが割れやすいのです。

 

自転車の種類で、使われるフレーム素材は変わる?

ここまでは「各素材の特徴」の話でしたが、ここからは「各スポーツ自転車に向いている素材とは?」について紹介していきます!

 

ロードバイク

自転車 フレーム 素材

撮影:筆者

クロモリ、アルミ、カーボンと幅広い選択肢があります。

 

メーカー販売しているバイクであれば、アルミかカーボンが多いでしょう。初心者向きのエントリーモデルに乗りたいならアルミ、走行性能重視したいのならカーボンが向いています。細いシルエットが好きならクロモリがイイでしょう。

 


クロスバイク

自転車 フレーム 素材

出典:BIANCHI

速いスピードで走ることが目的の自転車ではないので、クロモリかアルミで充分でしょう。

 

基本的には街中やサイクリングロードを走る場面では、激しい起伏もなく平地がメインとなるでしょう。

クロスバイクという構造上、30km/h以上のスピードで走行することが苦手です。フルカーボンモデルがそもそも少なく、クロモリかアルミが選択肢に上がります。

 


グラベルロードバイク

自転車 フレーム 素材

撮影:筆者

クロモリ、アルミ、カーボンと広くラインナップされています。

 

未舗装路を高速域で疾走するグラベルロードバイク。クロモリも選ばれるのは、大きな荷物を積載するのでフレーム重量が気になりにくいこと、過酷な環境を長時間走るので「衝撃に強い素材で安心感を得たい」などの理由が挙げられます。カーボンバイクの選択肢はロードバイクより多くないことがほとんどです。

 


マウンテンバイク(MTB)

自転車 フレーム 素材

出典:SPECIALIZED

主に使用されている素材はアルミとカーボンです。そもそもクロモリモデルは少ないです。

 

急坂を登るシチュエーションが多いマウンテンバイク。油圧ディスクブレーキやサスペンションなど重量のあるパーツがついています。フレーム自体を軽くして、急坂でも登れるようにと軽量なアルミかカーボンが使われます。

 

 

よくあるフレーム素材のウワサ話

「自転車 フレーム素材」で検索するといろんな話が出てきます。ここでは筆者が乗ってきた感想をベースに、「実際に感じたこと検索結果が少し違うな」という話を本音で紹介しましょう。

Q1:アルミって乗り心地が悪いよね?

 

乗り心地が悪いと、感じることは少ないと思います。

 

アルミの短所で「乗り味が硬い」と挙げられることが度々あります。踏んだ時に反発が強く、暴れたような印象があるようです。しかし素材起因ではなく、チューブ径やステイ長によるものだと思われます。

 

アルミ素材のロードバイクが生まれた70年代には「アルミは柔らかい」とネガティブイメージありました。それはクロモリと同じような細身のチューブ径に制限されていた過去の話で、現在は薄肉大径が基本としてこの問題を解決しています。「まったく関係ないことはないけど、ほぼ影響しないよなぁ」というのが筆者の素直な感想です。

 

Q2:カーボンなら振動吸収性がいんだよね?

 

カーボン素材と振動吸収性には関係はありますが、体感するには誤差程度になります。

 

素材によるものではなく、グレードによる影響の方がよっぽど大きいと思います。カーボンフレームにはハイエンドモデルが多いです。ハイエンドモデルとは、もともとの性能が高く、振動吸収性にも優れています。

 

グレード以外でも振動吸収性に影響を与えているのは、①タイヤの空気圧や太さ、②ホイール、③ジオメトリー(フレーム形状)だと思います。

 

「アルミだから乗り心地が硬い」「カーボンだと振動吸収性が高く、乗り心地がいい」とフレーム素材視点で乗り心地を考えるのは、少し違うのかなと感じています。

 

Q3:カーボンは割れやすいから気を使うよね?

 

すごく気を使います。

 

「落車でカーボンフレームを破損した!」という投稿をSNSではしばしば見かけます。炭素繊維は横から加わる衝撃にやはり耐えられず、割れてしまいます。

 

落車だけではなく、輪行や倒してしまうのにはいつも気を付けている必要があります。通常の使用では問題ないのですが、リスクがあることを知っておくといいでしょう。

 

まとめ

スポーツ自転車のフレーム素材について、理解は深まったでしょうか。

 

フレーム素材にはそれぞれの特徴があり、自転車の性能を底上げしてくれます。目的に合う素材を選べるようになれば、自転車をきっと楽しめるようになるでしょう。

 

万能な素材はありませんが、素材それぞれに面白い長所があります。いままで使ったことのない素材をあえて選んで遊んでみるのも、新しいサイクリングの楽しみ方の発見になるかもしれませんね。

 

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