カンチブレーキを解説!アンティークなバイクにも似合うブレーキ。

現在では主流とは言えない「カンチブレーキ」。現行モデルで装備されることも少なく、あまりよく知らない方も多いでしょう。それでも、ランドナーや一部のシクロクロスバイクでは昔から使われていて、現役のブレーキです。今回は、長い歴史がある、カンチブレーキについて、まとめました。

目次

  • カンチブレーキとは?
  • 他のブレーキと何が違う?
  • どんな自転車に使われている?
  • カンチブレーキのホイールの外し方
  • カンチブレーキのメリット・デメリット
  • おすすめのカンチブレーキ5選
  • 独特の味わいを持つ、カンチブレーキ
アイキャッチ画像撮影:筆者

カンチブレーキとは?

カンチブレーキ

撮影:筆者

カンチブレーキは、リムブレーキの1種でフレーム・フォークにVブレーキと同じ台座に取付けるタイプのブレーキです。

 

「カンチ」とは片持ち構造のことで、台座を軸に片側をワイヤーで引くことからカンチブレーキと呼ばれています。また、真ん中でワイヤーを引くことから「センタープル」とも呼ばれます。

 

カンチブレーキの構成パーツ

カンチブレーキ

撮影:筆者

カンチブレーキは、画像のような複数のパーツから構成されています。Vブレーキに似ていますが、大きく違うのは「チドリ」があるのと、ワイヤーがセンターに配置されている部分です。

 

他のブレーキと何が違う?

カンチブレーキ 違い

ディスクブレーキやキャリパーブレーキとは台座が違い、Vブレーキとは台座が共通ですがワイヤーの引き方や引きしろが違います。台座が同じVブレーキは、カンチブレーキの進化形として開発されました。

 

どんな自転車に使われている?

カンチブレーキ 使い方

撮影:筆者

ランドナーやシクロクロス、以前はマウンテンバイクなど、太いタイヤをつけて悪路を走る自転車に使われてきました。

 

カンチブレーキはオフロード向き

カンチブレーキ

大きく開く構造のカンチブレーキは、太いタイヤと相性がよく泥つまりも少ないことからオフロード向きとされています。

 

真ん中のワイヤーを引いて左右のブレーキを引き上げリムを挟む構造は、制動力に反してフレームを広げる方向にも力がかかり、フレームに負荷がかかります。そのため、耐久性の高いフレームを使うランドナーやマウンテンバイク向きといえます。

 

キャリパーブレーキのレバーはOK。VブレーキのレバーはNG。

キャリパーブレーキのレバーはOK。VブレーキのレバーはNG。

撮影:筆者

ロード用コンポーネントとマウンテンバイク用コンポーネントは、ブレーキワイヤーの引きしろが違います。カンチブレーキは、Vブレーキで使うマウンテンバイクのコンポーネントでは使うことはできません。

 

カンチブレーキは専用のアウターワイヤー受けを

カンチブレーキ 専用のアウターワイヤー

撮影:筆者

ブレーキの横にワイヤーをつなぐキャリパーブレーキ・Vブレーキと、真ん中にワイヤーを通すカンチブレーキではワイヤーの通るルートが違います。

 

カンチブレーキを使うときは、センターにワイヤーを通す「アウターワイヤー受け」が必要で、取付けられないフレームではカンチブレーキを使うことはできません。

 

ロープロファイルとワイドプロファイル

ロープロファイル ワイドプロファイル

撮影:筆者

カンチブレーキの形状には「ロープロファイル」と「ワイドプロファイル」の2種類があり、初期のカンチブレーキは「ワイドプロファイル」でしたが、横への張り出しが大きいワイドプロファイルから、よりコンパクトな「ミディアムプロファイル」「ロープロファイル」が誕生したと言われています。

 

「ロープロファイル」は従来の「ワイドプロファイル」と「Vブレーキ」の中間的な形状で、コンパクトで輪行などに適していましたが、泥はけはアーム間の広い「ワイドプロファイル」の方がよく、シクロクロスでは「ワイドプロファイル」ユーザーも多く見られました。

 

カンチブレーキのホイールの外し方

キャリパーブレーキ・ディスクブレーキともちょっと違う、カンチブレーキでのホイールの外し方をご紹介します。

 

①山形ロープを外しキャリパーを開放に

カンチブレーキのホイールの外し方

撮影:筆者

山形ロープの端部を、ブレーキ本体から外すとアーチが開放されます。

 

②クイックレバーを開く

カンチブレーキのホイールの外し方

撮影:筆者

キャリパーブレーキと同様に、クイックレバーを開きます。

 

③ホイールを外す

カンチブレーキのホイールの外し方

撮影:筆者

車体を持ち上げ、ホイールを下に落とすように外します。

 

カンチブレーキのメリット・デメリット

カンチブレーキのメリット・デメリットをご紹介します。

 

カンチブレーキのメリット

前世代のブレーキですが、下記のようなメリットもあるブレーキです。

 

●タイヤとのクリアランスが大きいので泥つまりに強い

●干渉する部分が少ないので泥除けを選びやすい

●開放時は大きく開くので、太いタイヤをつけられる

 

Vブレーキやディスクブレーキと共通するメリットも多いですが、カンチブレーキの雰囲気は独特なものですね。

 

カンチブレーキのデメリット

古い機構なので、下記のようなデメリットも考えなければなりません。

 

●パーツ点数が多くメンテナンス・セッティングが難しい

●現行のブレーキと比べると制動力が低い

●Vブレーキ・ディスクブレーキで、カンチブレーキのメリットはほぼフォローできてしまう。

 

やはり構造の複雑さ、パーツ点数の多さによるメンテナンス性の低さを感じます。

 

ブレーキという大切なパーツなだけに、迷ったらショップにお願いしましょう。

 

おすすめのカンチブレーキ5選

現在リリースされているカンチブレーキおすすめ5選をご紹介します!

 

SHIMANO(シマノ)/BR-CX50

軽量で、輪行やバイクを担ぐ際にも邪魔にならないコンパクトデザインのカンチブレーキ、NEW SUPER SLR対応で従来のカンチブレーキよりも制動力が向上します。

ITEM
SHIMANO/BR-CX50
●重量:175g
●カラー:シルバー

DIACOMPE(ダイヤコンペ)/DC980

アルミ冷間鍛造製法で作られ、軽量で高い強度を持つワイドプロファイルのカンチブレーキ、シルバーモデルの他により軽量なブラックのDC980EXもラインナップされています。

ITEM
DIACOMPE/DC980
●重量:170g
●カラー:シルバー

TEKTRO(テクトロ)/CR720

リニアスプリングデザインと剛性を考えたアーチ、鍛造アルミニウムを採用したカンチブレーキ、強さと軽量を両立させたモデルです。

ITEM
TEKTRO/CR720
●重量:126g
●カラー:ブラック・シルバー

TNI(ティーエヌアイ)/カンチ‐136

強い制動力と横への張り出しを抑えたロープロファイルデザインで、ペダリング時や担ぎ、輪行のときも邪魔になりにくいカンチブレーキです。

ITEM
TNI/カンチ-136
●重量:136g
●カラー:ブラック

DIXNA(ディズナ)/カウンターカンティブレーキ

強い制動力も持つ、V型形状のカンチブレーキです。スモールパーツもカタログにラインナップされているので保守メンテナンスも安心です。

ITEM
Dixna/カウンター カンティブレーキ
●重量:61g(ボディのみ)
●カラー:ブラック・レッド

 

独特の味わいを持つ、カンチブレーキ

カンチブレーキ

出典:Flickr/Yuya Tamai

カンチブレーキは現在の主流とは言えません。機構も古く、メンテナンスに手もかかりますが、それ以上に自分で手をかける達成感や、現行モデルにはない雰囲気も味わうことができます。

 

きちんとメンテナンスしたカンチブレーキなら十分な制動力を得られます。クロモリフレームのバイクでゆったりと遠出するスタイルなど、カンチブレーキもいいですね。

紹介されたアイテム

DIACOMPE/DC980
Dixna/カウンター カンティブレーキ

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CYCLE HACK編集部
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高橋智宏

10代の頃からロードバイク・MTBなど自転車を楽しみながら、現在はスポーツバイクの普及活動をしています。 皆さまへお役に立つ情報をお届けし、スポーツバイクを末永く楽しむお手伝いができれば嬉しく思います。