ロードバイクのギア比とは

ロードバイクのギア比とは、フロントギアとリアギアの「歯(ギザギザ)の数」の比率です。
ギア比 = フロントギアの歯数 ÷ リアギアの歯数
ギアの歯の数はT(teeth)で表し、50枚の歯がついていれば「50T」となります。例えば、フロントが50T、リアが11Tのギアを使って走る時は、ギア比は50÷11=4.55となります。
ギア比が大きいと重く(速く)、ギア比が小さいと軽く(遅く)なります。

フロントが2枚のギアのロードバイクなら、最も大きいギア比は、フロントがアウター(大きいギア)、リアがトップ(小さいギア)の時で、「アウタートップ」と言います。ペダルは、一番重くなりますが、その分スピードが出ます。
逆に最も小さいギア比はフロントがインナー(小さいギア)、リアがロー(大きいギア)の時で、「インナーロー」といい、ペダルが軽くなるので坂道を上るときに使います。
そんなロードバイクのギアは、多くの種類がありますので、基本的な部分をおさらいしていきましょう。
フロントギア(クランク)の基礎知識

前側のギアは、「フロントギア」もしくは「チェーンリング」と呼ばれます。2枚、もしくは3枚のギアがついていて、外側の大きいギアをアウター、内側の小さいギアがインナーです。
フロントギアは、歯数によって、「50/34T」などと表します。50は、外側の大きいギアの歯数、34は内側の小さいギアの歯数です。
また、ギアの枚数は1枚の場合(フロントシングル)もあります。
ノーマルクランクとコンパクトクランク

フロントギヤは、ノーマルクランクと呼ばれる「53/39T」、コンパクトクランクと呼ばれる「50/34T」などの、メジャーな組み合わせ(クランクセット)があります。
ノーマルクランクは、ギアが大きく、スピードが出しやすくなりますが、ペダルが重くなるので脚力がある人向きです。
一方コンパクトクランクはギア比が小さくなり、踏む力が軽くなるので、脚力がない人や、ヒルクライム向きと言えます。また最近はノーマルとコンパクトの中間、52/36Tのミドルクランクというのもあります。
リアギア(スプロケット)の基礎知識
リアホイールについているスプロケットのことを、リアギアといいます。製品によって変わりますが、7枚から11枚のギアがついていて、一番小さいギアをトップギア、一番大きいギアをローギアとよびます。
リアギアはトップギアとローギアの歯数で、11-32T、12-25Tなどと表します。リアギアは大きいほど、軽く(遅く)なり、小さいほど重く(速く)なります。
スプロケットの歯数構成もチェック

出典:筆者
スプロケットは、同じ段数でも、歯数のバリエーションがあります。
シマノの11段変速の場合、11-23Tや11-34T、12-28Tなど、さまざま。
大きな歯数がついているスプロケット(11-34Tなど)は激坂向き、逆に小さなローギヤのスプロケット(11-23T)は平坦向きといえるでしょう。
自分に合ったギア比を見つける3つのポイント
「クランクやスプロケットにいろいろあるのはわかったけど、どうやって選べばいいの?」という方に、自分に合ったギア比を見つけるポイントを3つにまとめてみました。
①ギア比ごとの速度を参考にしよう

ギヤ比ごとの速度は、次の式で計算できます。
ギヤ比 × ケイデンス(rpm) × 0.126 = 時速(km/h)
例えば、コンパクトクランクでアウター50T、トップ11Tなら、ギヤ比は4.55ですから、ケイデンス90回転なら、速度は51.6km/hとなります。長い下り坂や、レースで集団走行するなら、これ以上の速度を出し続けることもありますから、ミドルクランクやノーマルクランクも選択肢になりますね。
②使わないギア、よく使うギアを知る

例えば、信号の多い街中を走ることが多く、頻繁にゴー・ストップがあるなら、トップギアまで使うことはないでしょう。こういったシーンが多いなら、リアトップギアを11Tから12Tと大きいものにするのも、一つの手です。
あるいは、普段走る場所に、急な坂がない場合は、30Tや34Tのローギヤを使う必要がないかもしれません。この時はリアローギアを28Tと小さくするのもありです。
どちらの場合も、中段のギアの選択肢が増えるので、ちょうど良いギアで、快適に走れるでしょう。
③よく走るのは平坦な道?ヒルクライム?

よく走るのが平坦で、河川敷のサイクリングロードなど、頻繁なゴーストップも少ないなら、前がミドルクランク、後ろが11-23Tまたは11-25Tあたりでどうでしょうか。1段ごとの歯数の飛びが小さく、細かい変速で快適なギアを選べます。
信号が多い平坦や、多少のアップダウンがあるなら、コンパクトクランクに11-32T。ヒルクライムならコンパクトクランクに、最大斜度の坂をまっすぐ上り続けられるローギアのスプロケットを組み合わせるとよいでしょう。
おすすめのクランクとスプロケットをご紹介
クランクとスプロケットは、とても多くの種類があります。ここでは、シマノの11速を例におすすめ製品をご紹介します。
コンポはグレード順に、DURA-ACE、ULTEGRA、105と3グレードあり、それぞれクランクとスプロケットは互換性があります。お好みと価格で選べばよいのですが、歯数構成など、限られたグレードにしかないものもあるので、ご紹介します。
SHIMANO(シマノ)/105 CS-HG700-11 カセットスプロケット
ローギヤに34Tをもつ11-34Tのワイドレンジカセットです。激坂から平坦、下りまでどんなシーンでも使えますね。
ITEM
SHIMANO(シマノ)/105 CS-HG700-11 カセットスプロケット
歯数構成:11-34T
SHIMANO(シマノ)/ULTEGRA CS-R8000 カセットスプロケット
トップギアに14Tをもつ、14-28Tのカセットがあります。本来これはジュニア用ですが、ヒルクライムや非力な女性にもおすすめです。
ITEM
SHIMANO(シマノ)/ULTEGRA CS-R8000 カセットスプロケット
歯数構成:11-25T、11-28T、11-30T、11-32T、12-25T、14-28T
SHIMANO(シマノ)/DURA-ACE CS-R9100 カセットスプロケット
12-25Tという、クロスレシオなスプロケットもあります。細かい変速が可能で、街乗り仕様におすすめです。
ITEM
SHIMANO(シマノ)/DURA-ACE CS-R9100 カセットスプロケット
歯数構成:11-25T、11-28T,11-30T、12-25T、12-28T
SHIMANO(シマノ)/DURA-ACE FC-R9100 ホローテックIIクランクセット
ビッグクランク(55/42T)(54/42T)があります。通常、タイムトライアルバイクで使われますが、ノーマルクランクでも物足りないと感じるようなら使ってみるのもいいかもしれません。またクランク長が165mmから180mmまで、2.5mm単位でそろっています。
ITEM
SHIMANO(シマノ)/DURA-ACE FC-R9100 ホローテックIIクランクセット
歯数構成:55/42T、54/42T、53/39T、52/36T、50/34T
クランク長:165、167.5、170、172.5、175、177.5、180mm
SHIMANO(シマノ)/ULTEGRA FC-R8000 ホローテックIIクランクセット
46/36Tのクランクがあります。コンパクトでも踏み切れない、トップ11Tなんて使わない、という方におすすめです。
ITEM
SHIMANO(シマノ)/ULTEGRA FC-R8000 ホローテックIIクランクセット
歯数構成:53/39T、52/36T、50x34T、46/36T
クランク長 165、170、172.5、175mm
SHIMANO(シマノ)/105 FC-R7000 ホローテックIIクランクセット
唯一クランク長が160mmからあります(他は165mmから)。小柄な女性におすすめです。
ITEM
SHIMANO(シマノ)/105 FC-R7000 ホローテック2クランクセット
歯数構成:50-34T、52-36T、53-39T
クランク長:160、165、170、172.5、175
スプロケット交換が不安な時は、ショップにお願いしよう

スプロケット交換の作業そのものは、あまり難しくないのですが、専用の工具が必要です。また交換後のディレーラーの調整も必要な場合があります。不安な人は近くのサイクルショップにお願いしよう。
自分に合ったギア比を見つけよう!

今回は、最適なギア比の見つけ方や、11速のおすすめ製品などをまとめました。もちろん、8速や9速のロードバイクでも、同じようにスプロケットを選ぶことができますし、他メーカーのコンポでも同様です。自分に合ったギア比を見つけて、もっと速く、楽に、楽しくロードバイクを走らせましょう。