【自転車のブレーキ交換】自分でやってみよう!

自転車においてブレーキは最も重要なパーツだといっても過言ではありません。信号が赤になったとき、急に人が飛び出してきたとき、ダウンヒルに差し掛かったとき……。こうした場合に減速できなかったとしたら、惨事になるのは容易に想像がつくでしょう。ブレーキの効果を維持させるには、消耗品であるブレーキシューの交換が不可欠。今回はブレーキの交換方法について解説します。

目次

  • ブレーキの種類
  • 交換のタイミング
  • 交換に必要なもの
  • 交換の手順
  • 気になる点があったら必ず自転車ショップへ
アイキャッチ画像提供:Glory Cycles

ブレーキの種類

自転車のブレーキにはいくつもの種類がありますが、大別すると「リムブレーキ」と「ディスクブレーキ」のふたつに分けられます。ここではスポーツバイクに使用されることが多いものを中心に紹介します。

リムブレーキ

左右一対のブレーキアーチに、ブレーキシューと呼ばれる部品が取り付けられているものです。ホイールのリム部分を左右からブレーキシューで押さえて制動力を効かせます。リムブレーキとして主に採用されているのが、キャリパーブレーキ、Vブレーキ、カンチレバーブレーキです。

 

●キャリパーブレーキ

キャリパーブレーキ

ブレーキアーチが軸点を中心に交差する形で固定されている構造を持つブレーキです。軸点がふたつあるものをダブルピボット・サイドプル方式と呼び、主にロードバイクに使用されています。一方、軸点がひとつのものはシングルピボット・サイドプル方式と呼ばれ、古いロードバイクのパーツや、一部のママチャリに使用されていることがあります。

 

●Vブレーキ

Vブレーキ

構造はカンチレバーブレーキと似ていますが、左右のブレーキアーチに対してブレーキワイヤーを横から通すことによって、高い制動力を確保しています。ブレーキアーチが逆ハの字型に見えることからVブレーキと呼ばれるようになりました。クロスバイクや一部のマウンテンバイクに採用されています。

 

●カンチレバーブレーキ

左右に独立したブレーキアーチを車体へ取り付け、ブレーキアーチの上段から伸びたアーチワイヤーを引っ張り上げてブレーキアーチを動かし、制動力を得るブレーキです。構造上、泥詰まりしにくいため、未舗装路に強いランドナーやシクロクロスに用いられることがあります。後継機であるVブレーキの需要に押されて、新車にはほとんど採用されなくなりました。

 

ハブブレーキ

ホイールの中心にある、ハブ部分に制動機構が組み込まれているタイプのブレーキです。

 

●ディスクブレーキ

ディスクブレーキ

ハブ部分に組み込まれたディスクローターを左右から挟み込んでブレーキをかけるものです。リムブレーキよりも制動力が高く、少ない握力で車体を止めることができます。また、雨天時にも制動力が失われることはありません。自動車やオートバイに用いられているブレーキと原理は同じです。

ディスクローターを止めるブレーキキャリパーは、ワイヤーで作動させる機械式のほかに、油圧シリンダーとパイプを用いて作動させる油圧式があります。当初はマウンテンバイクに用いられ、その後はロードバイクにも少しずつ普及してきました。

 

交換のタイミング

リムブレーキに用いるブレーキシューは、リムとの摩擦によって減耗していきます。すり減ったブレーキシューでは制動力を確保できません。そのため、時期を見て交換する必要があります。

ひとつの目安として、ブレーキシューに入っている溝が無くなってきたら、交換のタイミングになります。具体的には、溝の深さが1mm以下になれば交換したほうが良いでしょう。

また、シューそのものが脆くなっていることもあるので、ブレーキの効きが悪いと感じたら早めに交換しておく必要があります。走行距離にもよりますが、半年ぐらいの期間を目安に交換が必要かどうかを気にしてみてください。

ブレーキシューを選ぶときの注意点

ブレーキシューにはいくつもの種類があります。使用しているブレーキパーツのメーカーや型番を確認し、それに合ったものを選べば間違いはありません。心配な場合はお店で確認してもらうことをおすすめします。

ただし、交換ではなくグレードアップしたい場合は、互換性やブレーキシューの細かな違いについて注意しておく必要があるでしょう。ブレーキシューを選ぶときの注意点を見ていきます。

 

●互換性を確認する

メーカーの異なるブレーキシューは基本的に互換性がありません。また、ブレーキのタイプが異なるものを使用するのもあまり望ましくはないでしょう。使用しているブレーキのメーカーやタイプはしっかりと確認する必要があります。

 

●カーボンホイールには専用のブレーキシューを使う

カーボンホイールはリム部分もカーボンであるため、専用のブレーキシューを使用する必要があります。誤って一般的なアルミリム用のブレーキシューを使用するとホイールを痛めることになるので注意しましょう。

 

●カートリッジ式の場合はブレーキシューのみを交換可能

上位グレードのブレーキには、ブレーキシューとその台座が分離できるカートリッジ式のものがあります。この場合、消耗したブレーキシューのみを交換すれば問題はありません。一方、ブレーキシューと台座が一体化している場合は、台座ごと交換する必要があります。

 

交換に必要なもの

アーレンキー(六角棒レンチ)

ブレーキシューの台座を着脱するのに使用します。スポーツバイクのパーツは主に六角ボルトで固定されているので、複数のサイズに対応できるアーレンキーがひとつあれば重宝します。

ITEM
HOZAN アーレンキー キーレンチ 六角レンチセット 10本組
●重さ:115g
●セット内容(mm/インチ):1.27(1/20)、1.5、1.6(1/16)、2、2.4(3/32)、2.5、3、3.2(1/8)、4、4.8(3/16)

 

軍手

なくても作業できますが、摩耗したブレーキシューに触れると指が汚れるので、あったほうが良いでしょう。

 

交換の手順

ブレーキシューの交換についての具体的な手順を見ていきましょう。今回はロードバイクに採用されていることが多い、キャリパーブレーキを使って説明します。なお、最後にカートリッジ式のものについても少し触れているので、参考にしてください。

 

キャリパーブレーキのレバーを上げる

キャリパーブレーキのレバーを上げる

レバーを上げることによって、ブレーキアーチのすき間が広がり、作業がしやすくなります。

 

ボルトを緩めてブレーキシューと台座を外す

ボルトを緩めてブレーキシューと台座を外す

アーレンキーを使ってキャリパーブレーキに固定されているブレーキシューの台座を外しましょう。

 

 

新しいブレーキシューを仮止めする

新しいブレーキシューを仮止めする

交換用の新しいブレーキシューと台座を、キャリパーブレーキに取り付けます。スペーサーには順番があるので、間違わないようにしましょう。

 

ブレーキシュー

また、進行方向を指定しているブレーキシューは、取り付け時の向きに注意します。ブレーキシューの位置を調整する必要があるため、ボルトは仮止めして台座を動かせるようにしておきましょう。

 

ブレーキシューの位置を調整する

ブレーキシューの位置がリムにぴったり合っているかどうかを確認し、台座の位置を調整します。シューがリムよりも外側に出ていると、タイヤを痛めたり、シューがホイールのスポークに引っかかったりして危険です。

 

●リムより下にずれている状態

リムより下にずれている状態

 

●リムより上にずれている状態

リムより上にずれている状態

 

●リムにぴったり合わさっている状態

リムにぴったりの状態

 

ボルトをしっかりと締め、ブレーキシューを固定する

ボルトをしっかりと締め、ブレーキシューを固定する

ブレーキシューの位置を調整できたら、ボルトを締めて固定します。

 

このとき、ボルトが少しでも緩んでいると非常に危険なので、少し強すぎると思う程度に力を入れて固定しましょう。なお、固定後はキャリパーブレーキのレバーを下げるとともに、安全な場所で実走してブレーキの効き具合を必ず確認するようにしてください。

 

カートリッジ式の場合

カートリッジ式

カートリッジ式のブレーキシューは、台座とブレーキシューが分離できます。プラスドライバーのみでブレーキシューを着脱することが可能です。

 

気になる点があったら必ず自転車ショップへ

ブレーキ交換作業を終えたら、軽くテスト走行などして、きちんとブレーキが効くか、音鳴りがしないかなど必ず確認しましょう。

 

ブレーキがきちんと効くかどうかの確認はもちろんですが、リムとブレーキシューの間が極端に狭くなっていたり、音鳴りがするようであれば、別途、ブレーキシューの角度を調整するトーイン調整や、ブレーキワイヤーの引きしろの調整が必要な場合があります。

 

ブレーキの整備不良は重大な事故につながる可能性もありますので、少しでも気になる点や違和感があったら、必ず自転車ショップで見てもらうなどしましょう。

 

 

あわせて読みたい

失敗したくない!飛行機の輪行。百戦錬磨の筆者が攻略法を教えます。
愛車と遠くへ行きたいときに、避けて通れないのが飛行機の輪行です。何かと不安の多い飛行機の輪行ですが、慣れてしまえば大丈夫! 飛行機輪行を考えるときに…
大城 実結
【魅力大解剖】ブロンプトンは無敵の折りたたみ自転車だ
【魅力大解剖】ブロンプトンは最高の折りたたみ自転車だ
「世界一の折りたたみ小径車」といわれるBROMPTON(ブロンプトン)は、欧米のみならずアジアでも愛される自転車です。カスタマイズや公式でリリースさ…
大城 実結
ロードバイクとは
ロードバイクの楽しみ方を徹底紹介!スピードが魅力のスポーツバイク
「クロスバイクと何が違うの?ロードバイクの楽しみ方は?」など、ロードバイクに興味が出てきた時は、多くの疑問が出てくるもの。ショップの店員さんに聞くと…
CYCLE HACK編集部
”クロスバイク購入に合わせて揃えたい”必要なもの14選
クロスバイクを買ったら一緒に揃えよう!必要なアイテム14選
クロスバイクを買ったら、一緒に購入するべきアイテムがあります。必ず準備すべきもの、乗るシーンによって準備したいものなど様々。今回は必要なアイテムと、…
CYCLE HACK編集部
クロスバイクとロードバイク
クロスバイクとロードバイク、どっちがおすすめ?違いや選び方を解説
自転車ショップで、クロスバイクとロードバイク、どちらにしようか悩む。初めてスポーツバイクを購入する時は良くあるテーマですね。どのように乗るのか、どん…
CYCLE HACK編集部
GateOS
GateOS

自身の生活を大きく変えた自転車!週末にはロードバイクで100~200km程度のロングライドに駆け出す日々!記事を通じて、自転車の魅力をひとりでも多くの方に知っていただきたく、有益な情報を発信できるよう心がけます。