「地球を平らにします!」老舗ロードバイクメーカーの挑戦


\おおおおっ、実は私、健脚だったのかも!!/ (そんなわけはない)

と、錯覚してしまうほどスムーズかつスポーティーな乗り心地のe-bikeが満を持してリリースです。
その名も、
スペシャライズド(SPECIALIZED)「CREO (クレオ) SL」シリーズ。

出典:SPECIALIZED
ロードバイク界、有数の米国メーカー「スペシャライズド」が、今回のe-bike発表の際に強調したのは「CREO SLは地球を平らにする」という言葉。
「あらまあ、そんな天地創造みたいなことまで宣言しちゃって、一体大丈夫なのかしら?」と、筆者も半信半疑のe-bikeです。
今までにないクールな体験ができるロードバイク「CREO SL」

まずご覧ください。こちらがCREO SLでございます。
「え、どこがe-bikeなの?」「ただのロードバイクじゃないの?」
そう思うでしょう。筆者も当初、ただの新型ロードバイクだと勘違いしました。
CREO SLは、e-bikeの肝となるバッテリーとモーターを、すべてフレームに内蔵。さらにモーターも含め、すべてスペシャライズドの自社開発。デザインやシステムなどが統一されて体験ができるe-bikeが実現しました!
一言で言い表すならば「もっと自然に、もっと楽に、もっとかっこよく」走れる新ジャンルのe-bikeが誕生したということです。
もっと詳しく知りたい方は、こちらの記事へ。
と言うことで、真相を明らかにするため、CREO SL試乗会へ行ってきました!
いざ試乗へ!その前に、筆者が感じていたe-bikeの“あるある”
さて、試乗当日。多くのサイクリストがライドを楽しむ宮ヶ瀬湖周辺でトライです。「サイクリストのみならず、幅広いアウトドアユーザーも親しんでほしいという」スペシャライズドのコンセプトにのっとり、あえてラフな格好で参戦です。
スペシャライズドの厚木本社から、いざ宮ヶ瀬湖へ〜

到着すると、宮ヶ瀬湖に並ぶ、CREO SLたち。否が応でも期待が高まってきます。

とその前に、今までのe-bikeで気になっていたことがあり、、
e-bikeの気になっていた3つのこと
ちなみに筆者は今までに試乗会やレンタサイクルで複数メーカーのe-bikeを試乗したことがあります。従来のe-bikeで実際に峠や町中を走る中、気になることが3点ありました。
筆者は普段ロードバイクを乗る際も、サイコンなどあまり付けません。なぜならハンドル回りをスッキリさせたいから。しかし多くのe-bikeの操作パネルはハンドルに付いています。これは何とかならんものか……。
ペダルを踏み込んだ際にアシストしてくれますが、ポイントとなるのが踏み込んだ力に応じて変化するアシストパワーの調整です。以前筆者が乗ったe-bikeは、アシストパワーのチューニングが大味だったため、停止状態からの踏みだしがかなり過激なものに。バイクに引っ張られてしまう感覚があり、自然な走り心地とは異なるものでした。
日本の道交法では24km/h以上でのアシストが道交法で禁止されているので、どのメーカーもそれ以上の速度になるとアシストが切れるように設定してあります。
問題はアシストが切れた後。バッテリー、モーターが付属している分、通常のスポーツバイクよりも重量が重いためスピードも出ず、平地ではかなり苦しい経験をしました。(峠ではガンガン上れるのですが…)
このあたりの気になる点が、果たしてCREO だとどうなっているのか??
CREO SL、一目瞭然ならぬ一走瞭然の素晴らしさ

はい!試乗用にお借りしました。CREO SL。見た目は、普通にかっこいいスペシャライズドのロードバイクです。知らない人は、まずこれがe-bikeという事に気が付かないでしょう。
ハンドル周りはスッキリ

ハンドルまわりは普通のロードバイク。ステムには地面からの振動を吸収する「フューチャー・ショック」が搭載されていました。
トップチューブ内蔵のコントロールパネル

電源ボタンと調整ボタンの2種類
バイクで行う操作自体はかなりシンプルで、細かい調整などはすべてスマホの専用アプリで行う設計となっています。それにしても見た目やコンセプトの統一感に感服。すべて独自開発しているからこそ叶ったプロダクトなのでしょう。
BB付近に内蔵モーター

モーターは、BB上部のフレーム内に内蔵されています。実にスマートです。
一瞬で健脚になったかのような”自然さ”

早速、編集部のY氏と、峠道を走ってみます。
「これはすごい!」と満面の笑みを浮かべる、編集のY氏
「あれ、走力がいつの間にやら上がった……?」
坂道をガンガン攻めながら筆者は気付きました。それほどCREO SLは自然な走り心地なのです。アシストというよりも、もはや自身の走力。モーター音もかなり静かで、e-bikeだということを忘れさせます。
専用アプリ「Mission Control」で走行記録をチェック

アシストモードは「Eco」「Sport」「Turbo」の3種類あり、それぞれモード内のパワー出力もカスタマイズが可能です。そのため自身の走り方やペダリングに一番合ったアシストに調整できるのです。
平地も普段のロードバイクに負けません!

筆者が一番感動したこと。それが「平地もガンガン走れる」点です。サイクリストにそう感じさせる要因として2つのポイントが挙げられます。
①アシストが自然にフェードアウト
アシスト機能の精度は前述したとおりですが、24km/h以上のアシスト停止時にも「切れたことを感じさせない」ほど自然で静か。
だからこそ、アシストはとうに切れていながらも、楽々30km以上で巡航している自分がいました。
②そもそもバイクとしての精度が素晴らしい
e-bikeの機能を語る以前に、バイク自体がスポーツバイク市場第一線を走る「スペシャライズド」のプロダクトです。バイク設計やコンポーネントなど、すべては快適な走行性に特化した作りとなっています。
ただの電動自転車ではない、さらにe-bikeの枠を超えた「CREO SL」というジャンル。一度走った人は、そう思わざるを得ないほど、衝撃的な走りを与えてくれました。
「あれもこれもできちゃうね」④つの妄想e-bikeの楽しみ方

試乗を終え、夢心地の筆者と編集。CREO SLを眺めながら、「これがあればここへ行く」「こんな遊び方もできちゃうね」など妄想が止まりません。
つまりは題して「妄想e-bikeサイクリング」。さあ、皆さんならどうやって遊ぶ?
①峠の向こうの、あの秘湯へ。

私は温泉・銭湯問わず無類の風呂好きなのですが、脚力がなくて行けなかった秘湯が沢山あるんです。関東最後の秘湯と呼ばれる奥日光や、八甲田山の谷地温泉など……。山岳地帯にこそ名湯があるものの、行くだけでいっぱいいっぱいで。
そんなときにe-bike。夢のまた夢だった場所を現実的なライドに落とし込んでくれるわけだ。
よく温泉サイクリストの間で言われていた、「着替えは持って行く問題」もe-bikeであれば、馬力もあるので荷物を積んでも邪魔になりません。
とは言え、実走感は抜群!今までの自転車、バイク、クルマとはまた違う新たなジャンルの旅になりそう。
②ウルトラライトに逆行した、ウルトラヘビーなバイクパッキング。

最近大ブームを迎えているバイクパッキングでは、UL(ウルトラライト)装備と切っても切れない関係ですよね。
そうだね。できるだけ軽いギアを必要最低限積載するのが基本だから。
でもe-bikeならば、UL装備のみならずもっと多彩なバイクパッキングができるのでは?例えば、スキレット。ずっと昔からキャンプツーリングにスキレットを持って行って、キャンプ地で豪快に肉を焼くという遊びをしたいんですが、めちゃくちゃ重いじゃないですか……。
今までの枠に囚われない、新しいアウトドアの楽しみ方ですね。ウルトラヘビー・バイクパッキング!
③ロードバイクが家庭円満ツールに変身。

筆者:
あんまり大きな声で言えないんですけど、「サイクリストの旦那、嫁の理解を得られない問題」*ってあるじゃないですか(笑)
*夫婦間の片方(自転車の場合は夫のケースが多い)が自転車にハマり込むあまりに、週末一緒にいられないことや理解を得ないまま大金を機材に投資し、互いの関係に亀裂が入ってしまう由々しき問題
大きな声で言ってもいいですよ(笑)奥さんと一緒にサイクリングをしようにも「ツラいことはしたくない」って言われることも。。
そんなときに、はい「CREO SL」。見た目こそロードバイクそっくりですが、走行力は段違い。これなら無理なく一緒にライドを楽しめるし、なんなら旦那さんを千切って、普段の鬱憤も晴らしていただいて(笑)
おお、CREO SLが家族を幸せに!これは、すごいぞ
④おじいちゃんと孫が一緒にサイクリング。

それこそ欧州ではバカンスで、スイスなどの山岳地帯へ遊びにいくことも多いそうです。あちらではe-bikeが普及しているため、親子だけではなくおじいちゃん、おばあちゃんも一緒にサイクリングを楽しめると聞きました。
例えば体力のあるお父さんや子どもは普通のバイクで、奥さんやおじいちゃんおばあちゃんはe-bikeで走ると。
同じ道を走り、同じ風景を見られるなんて素敵ですよね。う〜ん、これぞ夢のバカンス!
日本にもそんな遊び方ができる場所や機会がもっと増えるといいよね〜
……と、一度乗ってしまえば『妄想e-bikeサイクリング」が止まらなくなってしまうほど。自転車でもバイクでもクルマでもない、「e-bike」という新たなアウトドアジャンルが確立されています。
今まで自転車に乗っていた人も、初めての人も、新たな相棒と一緒に新時代のライドへ出かけてみませんか。
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