クロモリのロードバイクとは?

「クロモリのロードバイク」は、フレームが“クロモリの素材”で、作られたロードバイクのこと。クロモリは、正式名称を「クロムモリブデン鋼」と言って、鉄にクロムやモリブデンを加えた合金鋼です。ロードバイクは、アルミやカーボン素材のモデルが主流ですが、クロモリも根強い人気がある素材です。
美しい“ホリゾンタル”のフォルム

クロモリのロードバイクの見た目の特徴はトップチューブ(上部のフレーム)が地面と水平になっているホリゾンタルフレームの形。多くのモデルがこのフレーム形状をしています。横から見ると逆三角形のようなフレームは、シンプルでいて、クラシカルな趣があります。
ロードバイクの魅力は速さだけじゃない。クロモリの4つの魅力
クロモリロードバイクは、魅力がいっぱい!一つ一つ、見ていきましょう。
細身で美しいフレーム

クロモリは剛性が高い素材なので、細いフレームでロードバイクを作ることができます。強度が弱いアルミでは、同様の細いフレームでは難しいでしょう。細くて美しいフレームは、クロモリのロードバイクの大きな特徴です。
またアルミやカーボンに比べても、丈夫と言われるクロモリ。万が一、破損した場合でも、溶接などでフレームの修理ができるところも魅力です。
振動吸収性が良いから乗り心地が良い

クロモリは、アルミなどと比べると引っ張り強度と縦弾性係数(素材を引っ張った時に生まれるひずみと引張応力の比例係数のこと)が高いフレーム素材です。これらの数字が高いほど振動吸収率が良いので、クロモリのロードバイクは、カーボンのロードバイクと並んで、衝撃を感じにくく乗り心地が良いロードバイクと言えます。
またクロモリで、良く言われるのが「しなやかさ」。それはクロモリが剛性と弾性に優れた素材だからこそ。そのためクロモリのロードバイクは、心地良い乗り心地とペダルを踏み込んだ時の、独特のしなりを感じることができます。
一生モノのになる、耐久年数の長さ

鉄が多く含まれる合金素材のクロモリは、素材自体の経年劣化が起こりにくく、耐用年数が長いのが特徴です。カーボンなどは耐用年数は10〜15年程度と言われていますが、クロモリは定期的にメンテナンスをすれば、一生使い続けることができるでしょう!
お求めやすい価格で

クロモリのロードバイクは、ロードバイクの各モデルの中でも比較的安価な部類に入るロードバイクです。軽くて剛性に優れるカーボン製のロードバイクは高価ですが、クロモリなら、値段のハードルは低めです。
少しマイナスと思えるポイント
クロモリのロードバイクも良いところばかりではありません。
サビる可能性

主成分が鉄なので、アルミと比べるとサビやすい素材と言えます。キズや塗装の剥がれなどからサビ始めると、フレームの内部までさびが腐食しまうことがあります。
アルミやカーボンに比べ、重め

「軽量」が、特徴のカーボンやアルミと比べて、クロモリの重量は重め。重量が重いと言うことは、登り坂などの走行には向かない面があります。
モデル数が少なめ
もともとロードバイクは速さを追求する自転車。軽量で衝撃吸収力に優れたカーボンやアルミフレームのニーズが高い自転車です。クロモリロードバイクを製造しているブランドも多くはないので、選択肢はカーボン、アルミと比べて、少ないと言えるでしょう。
それでは次ページで、おすすめモデルをご紹介!
クロモリのロードバイク、おすすめ6選
FUJI(フジ)/Ballad R
創業100年を越える老舗の自転車メーカーであるフジのバラッドRは、クロモリバイクの決定版とも言えるモデル。ダブルバテッドパイプを採用していて、強度を落とすことなくクロモリながら10kgと軽量です。
ITEM
フジ Ballad R
フレーム:ホリゾンタル
カラー:ブラック、ブリティッシュグリーン
RALEIGH(ラレー)/CRA Carlton-A
ラレーはイギリスを代表する自転車メーカー。カールトンAは、バックステーまでクロモリの採用したフルクロモリーフレームで、クラシカルな外見が魅力的なロードバイク。シマノのソラを搭載し、重量も10,8kgと軽量です。
ITEM
ラレー CRA Carlton-A
フレーム:ホリゾンタル
カラー:ヴィンテージレッド、バーンブラック
Bianchi(ビアンキ)/SELVINO
ビアンキは世界最古の自転車メーカーで、その歴史は130年を越えます。クラシカルなツーリングバイクであるセルヴィーノは、アンティークレースであるエロイカモデルとして開発。コンポにはカンパニョーロのVeloceを採用、ブランドカラーであるチェレステと茶色を基調とした優美なバイクです。
ITEM
ビアンキ SELVINO
フレーム:ホリゾンタル
カラー:チェレステクラシコ
ARAYA(アラヤ)/TUR TOURISTE
リム製造で有名なアラヤは、自転車作りにも定評があります。TUR TOURISTEは、伝統的なイタリアンカットラグで構成されているフルクロモリのフレームのバイク。細めのアラヤオリジナルタイヤと上位機種ランドナーの仕様を導入し、ツールリングにぴったりです。
ITEM
アラヤ TUR TOURISTE
フレーム:ホリゾンタル
カラー:ナチュラルカーキ、ボルドーレッド、ミッドナイトブルー
ANCHOR(アンカー)/RNC3 SORA 2020
アンカーは、ブリヂストンのスポーツサイクルブランド。RNC3は、クロモリフレームの「Neo-Cot」シリーズの1つで、シマノのソラを搭載してツーリングからハイスピードな走りまで対応した1台。
ITEM
アンカー RNC3 SORA 2020
フレーム:ホリゾンタル
カラー:オーシャンネイビー、フォレストカーキ、ストーングレー
GIOS(ジオス)/グラベルロードバイク MITO
ジオスは、ジオスブルーで有名なイタリアの老舗自転車ブランド。グラベルロードバイクであるMITOは、クロモリ独特のスリムなシルエットが美しい1台。フロントトリプルギアと制動力の強いディスクブレーキも搭載していて、走破性が高いところも魅力です。
ITEM
ジオス グラベルロードバイク MITO
フレーム:スローピング
カラー:ジオスブルー、ブラック、グリーン
オーダーメイドもあるクロモリ
クロモリのロードバイクは、オーダーメイドの選択肢もあるのも特徴です。フレームのタイプも自分の身長や体型に合わせて、変えることができます。いくつかのタイプの中から選ぶセミオーダーと、設計からパーツアッセンブルまでできるフルオーダーの2種類があります。
オーダーで有名な「パナモリ」

パナモリという愛称で知られていますが、パナソニックのクロモリを短縮したもので、正式名称は「POS」というパナソニック・オーダーシステムのこと。POSは、サイズやカラーなど細かい所までオーダーすることができます。素材はパナソニックがオリジナルで作ったクロモリを使い、ダブルバテッド加工で剛性を減らすことなく、9kg未満という軽量のバイクを作ることができます。
カスタムオーダーなら23万円代から完成車がありますので、気に入ったロードバイクが見つからない場合、コスパが良いパナモリもおすすめです。
パナソニックPOSの公式ページはこちら
専門の工房や製作所でオーダーメイド
専門の工房や製作所のフレームビルダーが作るオーダーメイドのクロモリのロードバイクもあります。フレームビルダーと言うのは、その名のとおりお客様の目的や要望に合わせて、自転車のフレームを作る人のこと。
素材のアレンジから、加工、塗装、部品の組み付けまで、ひとつひとつ作ってくれます。値段は幅がありますので、製作所や専門の工房に問い合わせてみましょう。