【その自転車、体に合っていますか?】スペシャライズドのフィッティング「RETUL FIT」を受けてみたよ

スペシャライズドが提供する「RETUL FIT(リトゥール・フィット)」は、最新の測定器とプロのフィッターが理想のポジションへ導いてくれるフィッティングプログラムです。今回は腰痛と膝の痛みを抱える自転車歴8年の筆者が、RETUL FITを受けました。自転車を長く楽しみたい方! 必読です。

目次

  • え、私でもRETUL FIT受けていいんですか!?
  • SPECIALIZEDの「RETUL FIT」って、なあに?
  • 実録! これがRETUL FITだ
  • ドキドキ! フィッティングの結果はこんな感じ
  • 「データで根拠がわかる」元プロ選手が語るフィッティング
  • 生涯スポーツだからこそ、無理なく正しいフィッティングを

え、私でもRETUL FIT受けていいんですか!?

こんにちは、自転車ライターのミユミユこと大城です。

ガチガチのレース志向で乗っていたのは、遥か昔のこと。自転車歴8年目を迎えた今は、天気の良い日においしいものや温泉を求めてゆるゆる走り、キャンプを営むという立派なゆるぽたツーリストへと進化(退化?)を遂げました。

 

ですがここ数年、走行距離が50kmを越えた時点で、原因不明の膝の痛みが出るようになってしまい、少々頭を悩ませています。ポジションが悪いのか、ペダリングが悪いのか……。自転車歴は長いものの、自身のベストポジションや乗り方については全くの無知です。

う〜ん、体の痛みを抱えながら走るのはつらいなあ。けれど、本格的に競技するわけじゃないし、フィッティングを受けていいものか……
大城
大城

と、葛藤しつつも、やってきましたSPECIALIZEDの「RETUL FIT」。結論から言うと「すべてのサイクリストが堂々とフィッティングを受けても良いんです」

 

「ずっと自転車に乗っているけれど、フィッティングはやったことないな」という方、「最近、乗っていると体に違和感が……」という方! ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

SPECIALIZEDの「RETUL FIT」って、なあに?

出典:Facebook/SPECIALIZED

そもそも自転車のフィッティングとは、適切なサドルの高さ位置、ハンドルの位置など、自分の体の特性に合わせて、バイクを調整することを指します。

 

RETUL FITはスペシャライズドが提供するフィッティングプログラム。プロ選手からホビーレーサーまで、目的に合わせたフィッティングを独自のデジタル計測機器で精密にデータを割り出し、最適解をサイクリスト1人ひとりに提案するといったものです。

1分でわかるRETUL FIT

撮影:CYCLEHACK編集部

REFTUL FITの始まりは、2007年にコロラド州でスタートした自転車フィッティング用3Dモーションキャプチャ会社から。2012年にSPECIALIZEDが買収したことで、もともとあったBody Geometry FIT(ボディジオメトリー・フィット)と2018年に統合して、「REFTUL FIT」サービスを開始しました。つまり、ハードとソフトの融合ですね。

自転車に乗る人にとって、客観的に自身のフィッティングを考えるのは難しいもの。そこに医学的な見地と客観的なデータを用いて、それぞれのサイクリストにとって最高のポジショニングを提案します。

 

やってきたよ、SPECIALIZED新宿

撮影:CYCLEHACK編集部

というわけで、やってきたのは「SPECIALIZED 新宿」。RETUL FITを実施している店舗は全国でも限られており、フィッティングは完全予約制なので、自宅からアクセスの良い店舗へ連絡をしておくようにしましょうね。RETUL FIT&実施店舗はこちら

 

「こんにちは!」と登場したのが、SPECIALIZEDのフィッティングコーチ・渡邉勇大さんです。

 

撮影:CYCLEHACK編集部

元プロMTB選手の渡邉さんは、自転車のコーチングやフィッティングの専門家として活躍しています。

 

そんな偉大なお方に見ていただくなんて恐れ多い……
大城
大城
渡邉さん
渡邉さん
いや、本当ならば誰もがフィッティングをしても良いんですよ。レース志向やツーリング志向といった目的や、その人の身体的特徴に合わせたポジションがあります。それを科学的に導くのがRETUL FITです。

 

「サイクリストならば誰でも受けていい」という言葉に少し安心しながらも、相変わらず疑心暗鬼の筆者。とかく、フィッティングの開始です!

 

 

実録! これがRETUL FITだ

撮影:CYCLEHACK編集部

持ち物や心構え

事前に聞かされていたのは「ほどほどに漕ぐから、それなりの装備で来てほしい」ということ。当日筆者が持参したアイテムは下記の通りです。

 

●サイクルウェア一式

●ドリンク

●タオル

●シューズ・ペダル

 

できるだけ普段と同じ装備やウェアで見てもらうのが効果的とのことです。所要時間は個人差もありますがおおよそ2.5〜3時間ほど。二人三脚でじっくりと最適解を導いていきましょう!

①インタビュー

撮影:CYCLEHACK編集部

まずは「普段どんな風に自転車に乗っているのか」など、経験値、体の気になるところなどを聞いてもらいます。

 

渡邉さん
渡邉さん
自転車に乗っていて、気になる体の箇所はありますか?
椎間板ヘルニア持ちなので、同じ姿勢が続くと腰に不安を覚えます。あとは原因不明の膝の痛みですかね。
大城
大城
渡邉さん
渡邉さん
なるほど、それは具体的に言うと?

……というように、病院での診察のようにヒアリングが続いていきます。このときのポイントは「ありのまま話す」ことなのだそう。練習頻度や強度など、ついつい見栄を張ってしまいたくなりますが、それはただの本末転倒です。筆者は痛みが発症するときの強度・痛み方・部位などを具体的に伝えるよう心がけました。一通りライディングスタイルの共有が完了したら、次は体の測定に移ります。

 


②アセスメント

次は最新の測定器で、骨格や関節の可動域を隅々まで調べてもらいます。

渡邉さん
渡邉さん
まずは坐骨の距離を測ります。
さっそく坐骨きた! 気になります!
大城
大城

 

撮影:CYCLEHACK編集部

渡邉さんに指示されるがまま、姿勢良く椅子に座る筆者。お尻の下のセンサーで、坐骨の距離を測っています。

 

撮影:CYCLEHACK編集部

次はサイクルジャージに着替えて、足裏の構造を測ります

 

撮影:CYCLEHACK編集部
渡邉さん
渡邉さん
ここを見てください。大城さんは左足の外反が地面と強く接しているみたいですね。

 

撮影:CYCLEHACK編集部
なるほど、地面に接地した箇所の色が変わっているのか。これは一目瞭然ですね。
大城
大城
渡邉さん
渡邉さん
あと結構冷え性でしょう? このセンサーは熱に応じて変色するのですが、今回はあまり変色してないですもの
ウッ、ばれた……!
大城
大城

 

他にも肩や股関節の可動域など、全身をくまなく調べていきます。

渡邉さん
渡邉さん
肩の可動域に左右差がありますね。
ウッ……おっしゃる通りです…
大城
大城

 

撮影:CYCLEHACK編集部
渡邉さん
渡邉さん
体が柔らかいフリしないでいいですからね。あくまでも”ありのまま”で。
ウッ……ばれた…
大城
大城

撮影:CYCLEHACK編集部

全身くまなく調べ上げられ、色んなものがバレバレになり冷や汗をかきながらも、ようやくアセスメントの完了です。

 


③フィット

さあ、お待ちかねのフィッティングがはじまりました。先ほど計測した体の数値をもとに、サドル高・ハンドル高・ステムの長さ等を順に算出していきます。多種多様あるハンドルから、自身にぴったりのハンドル幅を探して……

 

撮影:CYCLEHACK編集部

先ほどの数値を元に、お尻に合うであろうサドルを選んでもらいます。これでサドル沼(どのサドルもお尻に合わず、すぐ買い換えてしまう沼)から抜けられそうですね! やりました!

 

撮影:CYCLEHACK編集部

選んだサドルを固定して、フォームを見て、また少し位置をいじって……を繰り返し、スイートスポットを探ります。

 

撮影:CYCLEHACK編集部
渡邉さん
渡邉さん
ちょっと深く腰掛け過ぎているから、もうちょっと前で乗ろうか
なるほど、それは自分ではわからなかった!
大城
大城

他者から見てもらうことでライディングフォームの勉強にもなります。

 

撮影:CYCLEHACK編集部

次はクランク長を測ってもらいます。

実は最近クランクを変えまして。今まで165mmを使用していたのですが、諸事情あって170mmにしちゃいました。
大城
大城
渡邉さん
渡邉さん
う〜ん、大城さんの場合だとやっぱり165mmがベストみたいですよ。一番無理のないフォームで乗れているようです。ちなみにRETULでは身長にあわせてクランク長を提案するわけではなく、柔軟性の制約によっておすすめをしているんですよ。

本当ならば気にするべきだとわかっていた0.5mmも、自分ひとりでは何も分からないもの。プロフェッショナルの知見が加わることで、各個人に適切なサイズが判明します。

 

撮影:CYCLEHACK編集部

ある程度ポジションが固まってきたら、とうとうお待ちかねのモーションキャプチャです!全身にセンサーを装着して……

 

撮影:CYCLEHACK編集部
おっ、おお……これがモーキャプ。これはすごい!!
大城
大城

撮影:CYCLEHACK編集部

自身の体と連動し、ディスプレイに映る棒人形が同じ動きをします。う〜ん、すごいぞモーションキャプチャ!

 

撮影:CYCLEHACK編集部

ここからしばらく自転車を漕ぎ続けます。設定したポジションでベストなフォームを導けているのか、プロの目から判断します。

 

撮影:CYCLEHACK編集部

一通り漕いだあとは、改めてビデオ撮影した自身のライディングフォームを確認し、客観的に分析します。

 

撮影:CYCLEHACK編集部
渡邉さん
渡邉さん
はい、これにて今日は終了です!

と、お渡しいただいたのが、測定データがまとめられたプリント。データはPDFとしてメールでもらう事も可能だそうです。自身のバイクを持ち込んだ場合だと、データを基に実車で再現するそうですが、今回は持ち込んでいないため自身で再現することに。

渡邉さん
渡邉さん
これで、可動域が気持ちよく動くようになったと思いますので、数日は出力をおさえ気味で乗ってみて、徐々に慣れるようにしてください。強い違和感や痛みがある場合はすぐに乗るのをやめて、ご連絡をくださいね。

ドキドキ! フィッティングの結果はこんな感じ

身体の特性が一目瞭然! 左右の可動域がこんなにも違う

筆者のフィッティングデータ①:アセスメントの結果

アセスメントでは事細かに体の可動域や左右のゆがみが記載されています。当日教えてもらった自身の体の特性がよく分かりました。確かに歪んでいるぞ……。歪んでいてもバイク側を調整することで、身体全体の機能を損ねないようにするところがRETUL FITの肝なんだとか。

私のベストポジションはこれ! パーツ選びでもう迷わない

筆者のフィッティングデータ②:理想ポジション

当日測定に測定を重ねて導き出した、今のベストポジションがこちら。これは非常に嬉しいですね!この資料を元に、自身の自転車をいじってみることにします。思わずパーツ購入も捗ってしまいますな。

ペダリングの悩みも一刀両断。こんな風に踏んでました……

筆者のフィッティングデータ③:モーキャプで測定した左右のゆがみとペダリング

これには感動です。以前よりペダリングに関して課題があると自身で思っていたため、数値化されたことによって一目瞭然ですね。上死点と下死点でもっと踏み込めたらと思うものの、足首の角度(しかも左右差がある)が甘く、まだまだだ……と現実を突きつけられました。膝の軌道がそれぞれ出てくれるのもかなりユニーク。

 

結果から見てみると、無意識に左足へ負荷をかけがちなのかな…という分析へと相成りました。体幹トレーニングをはじめ、これからは右半身へ意識的に働きかけてみることにします。

 

「データで根拠がわかる」元プロ選手が語るフィッティング

撮影:CYCLEHACK編集部

真摯な姿勢で終始フィッティングを担当してくださった渡邉さんは、かつてプロのダウンヒルの選手として活躍していました。そんな彼が、今の職業に就いた理由は「根拠がほしかったから」だと話します。

 

渡邉さん
渡邉さん
例えば今、ショップの店員としてお客さんにバイクを勧めるとします。けれど僕は自分の中のメソッドでしかお教えできないんですよね。つまり、裏付けがないんです。
つまり、自身の中で作り上げた方法論だからこそ、それが良いと裏付けるデータがない……ということですか?
大城
大城
渡邉さん
渡邉さん
そう、必要なのが客観的データ、数値だったんです。

スペシャライズドが独自に研究を重ねたサイクリストのデータと照らし合わせることで、自身のメソッドがより確かなものとなり、同時に自信を持って勧められるようになったと言います。

1年に1回のフィッティングでもっと快適で、楽しくなる!

撮影:CYCLEHACK編集部
今日はツーリング主体という私の乗り方と体の不調、そして現状の体力を照らし合わせながら、このポジショニングへ導いてもらいました。例えば来年もっと乗り方も上達し、目標が変わった場合はフィッティングも変わってくるのでしょうか?
大城
大城
渡邉さん
渡邉さん
もちろんそうです。理想を言うならば、1年に1回来ていただきたいですね。目標レースやイベントがあるのならば、半年前にお越しいただいて目標設定に応じてフィッティングします。年に1回の定期検診というような感覚で、一緒に楽しみながら頑張っていきたいですね。
ちなみに私は出るとしても仲間内でエンデューロレースだったりと、ゆるふわな自転車ライフを送っています。そのような場合は……
大城
大城
渡邉さん
渡邉さん
スペシャライズドには男女問わず様々な性格のフィッターがいます。自分に合う主治医を探す感覚で、気軽にご相談いただければ!

生涯スポーツだからこそ、無理なく正しいフィッティングを

筆者が自転車を愛する理由はさまざまありますが、第一に「生涯スポーツだから」だと胸を張って言えます。老若男女誰もが楽しんでいけるからこそ自由な乗り物なのです。だからこそ、無理のないフォームで自分の目標設定に合った乗り方をしていくのがベスト! 筆者も痛みを発症してから色々な方法を試しましたが、プロに相談できるというのは精神的に心強いものでした。

 

もちろん自転車屋さんや雑誌、Web記事でもフィッティングの情報を得ることはできます。その選択肢のひとつとして「フィッター」を加えてみてはいかがでしょう。
\SPECIALIZED「RETUL FIT」をもっと詳しく/

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大城 実結
大城 実結

ミユミユさんこと、自転車ライター・大城実結(おおしろみゆう)。愛車はFONDRIEST fz4&BROMPTONで、最近MTBも組み終えた。離島オタク兼ソロキャンマニア。しがない銭湯・酒場フリークでもある。Twitter:@moshiroa1